[2011]中部アマチュア ≪本戦第4日/記事≫
2011.06.03
第44回 中部アマチュアゴルフ選手権競技(最終日)
開催日/平成23年5月31日(火)~6月3日(金)
会場/石川県・片山津ゴルフ倶楽部(白山コース)
距離 7118Y PAR72
参加人数 153名(決勝進出 83名)
天候 快晴
最終日 竹内廉選手(高3)がプレーオフで優勝。
高校生チャンピオンは、3年連続
中部アマチュアの優勝は、昨年と一昨年が川村昌弘選手(中部日本パブ)。そして今年が竹内選手(チェリーレイク)。3年連続で高校生がチャンピオンです。
2日間続いた雨が切れて、晴れ間がのぞくゴルフ日和でしたが、選手たちのスコアは意外にも伸び悩みました。パープレーは、川村選手、榊原吉規選手(知多)の2人。しかしスコアだけで試合の内容を推し量ることは出来ません。この大会のために、年月をかけてコース整備をされました片山津GCの努力、それに応えてコースを最高難度へ位置づけるコースセッティングの戦略。選手たちは、その最高難度に4日間挑み続けたと言えるのです。
まさに中部アマチュアの代表選手を決めるにふさわしい力と技を出し尽くした見応えのある競技でした。
優勝は、竹内廉選手と山口量選手(明智)のプレーオフとなりました。1ホール目、竹内選手がフェアウエイから2オン。山口選手は2打をトラブルして5オン。6打目を一発で決めましたがダブルボギー。竹内選手も2オンしながら3パットでボギーとなり危うい勝ち方でした。
この結果、上位15名が日本アマチュアへの出場権を獲得しましたが、今年は榊原選手・31歳、福岡逸人選手(東名古屋・36歳)、須田繁之選手(ぎふ美濃・35歳)、飯田耕正選手(ジャパンクラシック・37歳)、福岡康文選手(芦原・37歳)の5名の30代ミッドエイジも日本アマ行きの切符を受け取りました。
中学3年生の小木曽喬選手(富士可児)は、スタミナ不足か大きく崩れて、日本アマへはわずかの差で逃し17位でした。
今年の日本アマチュアゴルフ選手権は、宮城県・利府ゴルフ倶楽部で開催の予定でしたが、東日本大震災の影響で7月5日~9日(火~土)愛知県・三好カントリー倶楽部で開催と変更になりました。
竹内廉選手(チェリーレイク:岡山学芸館高3年) 優勝293=71,74,75,73(35、36)
プレーオフを制し、初優勝した竹内選手の最終日。山口選手、福岡(逸)選手とともに最終組でスタートした。1番H(561H、Par5)でバーディを取り、山口選手との差を2打差とした。3番H、4番Hで山口選手が連続ボギーをたたき、この時点で二人が並んだ。そして、6番H(381Y、Par4)で第1打をバンカーに入れ3オン、奧からの5メートルのパットを決められずボギーとした。一方、山口選手が第2打をピタリとつけて、バーディとしたため、再び2打差となった。「ここからは離されないようにしよう」と竹内選手は思いつつも「勝てるんじゃないか」とも思っていたという。
後半に入っても、二人のデッドヒートは続いた。山口選手がボギーを続けて12番Hで並び、13番H(193Y、Par3) ではともにボギーで通算4オーバー同士となった。この時、前の組の川村昌弘選手は通算7オーバーとなっていて、大逆転もあるのかという状況だった。15番H(4461Y、Par4)で竹内選手はバーディ、山口選手はボギーとして、またもや竹内選手が2打リードしたものの、16番Hでボギーで1打差、ついには18番H(448Y、Par4)でボギー、山口選手がパーとして、プレーオフに突入したのだ。
竹内選手と山口選手は、背格好や雰囲気、スイングなどがとてもよく似ている。違うのは表現、たとえばバーディをとった時に大きなガッツポーズでうれしさを表す竹内選手に比べ、山口選手は静かにポーズ、押さえた微笑みで表す。10代と20代の違いなのかもしれないが・・・。そんな二人の決戦は、ギャラリーにとっても、ハラハラドキドキものだった。北陸随一の名門コース、最高難度の設定の舞台は、ちょっとしたミスでも簡単に選手たちを追いつめる。それだけに、どちらが勝ってもおかしくないと誰もが思ったはず。
竹内選手は10歳からゴルフを始めた。福井高1年の時に、中部ジュニアで優勝。その後、岡山学芸館高に転校し、通信制で単位を取っている。昨年はアメリカでアマチュア競技に参加、予選を突破して全米アマに出場している。結果は予選落ちだったが、今年も再度挑戦するために今月渡米するという。日本アマには2年前に出場経験があるが、こちらも予選落ちだった。中部アマ優勝で挑む日本アマでは、蓄えてきた力を存分に発揮してもらいたい。
山口量選手(明智) 2位 293=72、72,73、76(36、40)
初日から時折出ていたシャンク気味のボールが、プレーオフの肝心な時にでてしまった。林の崖下から果敢に出したボールはグリーン奧にこぼれ、5オンの絶体絶命。しかも、10メートル近くのロングパット。ところが、山口選手は鮮やかにコロンとカップに沈めた。どんな時でも最善を尽くす、ゴルファの心意気が見えた気がした。
川村昌弘選手(中部日本パブ:福井工大福井高3年) 3位 296=73、77、74、72(36、36)
「追いかけようと思ってましたけど、10番Hと11番Hでバーディパットをはずしてしまった。調子が悪いなりによくやった方かな。4日間いいとこなかったですね」。5バーディ5ボギーの72だった最終日、悪いとはいえ、まとめてくるのが川村選手。今日のベストスコアだった。
森博貴選手(チェリーレイク:日大2年) 10位タイ 305=76、73、76、80(36、44)
(写真左;川村選手、右:森博貴選手)
日本アマの切符を手に入れた選手たち
齋藤潤選手(関ヶ原) 4位 298=70、78、77、73(38、35)
「前半がしんどかった。ショットはよかった、パターもそこそこでした。日本アマは初めてなので、すごくうれしい。」
榊原吉規選手(知多)5位 299=76、78、73、72(34、38)
最終日のベストスコア72でホールアウト。「今日のゴルフはあぶなげなく完璧。結果に満足しています」。昨年に続く日本アマの切符、笑顔も晴々。
福岡逸人選手(東名古屋) 6位 300=71、76、75、78(43、35)
最終組で回り、前半はパターに苦しめられ43と大叩き。それでも、「後半はがんばったよ」と35で回り、結果を出した。(写真左が福岡逸人選手)
福岡康文選手(芦原) 14位タイ 307=76、77、75、79(41、38)
「日本アマは5回目の出場になります」。
飯田耕正選手(ジャパンクラシック) 14位タイ 307=82、75、75、75(40、35)
スコアボードを見ることなく、帰ろうとした飯田選手は、福岡選手に「入るかも」といわれ、ようやくボードを見たという。「絶対に無理だと思ってた。2日目から3日間とも、前半40後半35の75。今日はスタートでトリプル、後半は32出すつもりで積極的にいきましたが、うまくいかず。それでも最後まであきらめずにがんばれた。運よくもらったチャンスなんで、三好でがんばってきます」。
(写真右:飯田選手、左:福岡選手)
須田繁之選手(ぎふ美濃) 7位 301=75、76、74、76(38。38)
「去年日本ミッドアマに出ましたが、日本アマははじめて。今回は一日3つまで(オーバー)と決めてきたんで、まずまずだったかなあ」。
根本伊織選手(中部学連:名商大4年) 8位 302=74、77、76、75(37、38)
昨年までは地元の東北アマから出場権を得ていた。今回は中部からで、通算4回目の出場となる。「ドライバーが曲がって、12番Hでトリプルボギーにしちゃったんで落ちたかなと思いながら、回ってました」と、ホッとした表情だった。
吉桑祐太選手(各務原:岐阜高2年) 9位 304=81、73、76、74(38、36)
「今日は耐えました。初日がダメだったんで、入れてよかった。実は学校がテスト中なんです。帰ったら、再試です」
須田将太選手(富士可児:大手前大3年) 10位タイ 305=72、79、73、81(41、40)
新長隆弘選手(小松:金沢学院東高3年) 12位タイ 306=77、77、75、77(38、39)
伊藤有志選手(ローモンド:三重高2年) 12位タイ 306=71、75、80、80(40、40)
写真右。優勝した竹内選手とは三重県出身同士。普段から仲がいい。
今大会に出場した中学生は4人。
4人とも中学3年生で、全員が予選を通過、最終日もアウトスタートで迎えた。それぞれにジュニアの試合で優勝経験を持つ選手だが、初めての4日間の競技、難関コースに立ち向かうには、まだまだ宿題が残ったようだ。
写真は、左から、小木曽喬、伊藤奨真、白石大和、峠丈翔の各選手。