中部アマチュア本戦 4R成績表、速報記事、フォト掲載しました

2024.05.24

2024年度(第56回)中部アマチュアゴルフ選手権競技 本戦

開催日/2024年5月21日(火)~24日(金)

会場/片山津ゴルフ倶楽部(白山コース)

 

第4日成績表(PDF)

 

 

第56回中部アマチュアゴルフ選手権競技
2024年5月21日(火)・22日(水)・23日(木)・24日(金)
会場/片山津ゴルフ倶楽部(白山コース) 7093yd、Par72
参加人数/136名(うち欠場4名)
天候/1R 曇り、2R 晴れ、3R 晴れ時々曇り、4R 曇り時々晴れ

 

高校3年の酒井遼也選手(JGAジュニア)が通算2アンダーで初優勝。

通算304ストロークまでの19人が日本アマチュア出場権を獲得。

 


今年の中部のアマチュアナンバーワンを決める第56回中部アマチュアゴルフ選手権競技最終日は、時折日差しが差し込む天候、2日前と同じ北寄りの冷たさを感じる風が吹いていた。グリーンはスティンプ11.6、コンパクション24と今日も速く、硬く仕上げられていた。

 

最終日の最終組は、通算2アンダーの小田祥平選手(新城CC・専修大3年)湯原光選手(岐阜国際CC・東北福祉大3年)、通算1アンダーの酒井遼也選手(JGAジュニア・ルネサンス豊田高3年)、通算イーブンパーの清本貴秀選手(愛知県ゴルフ連盟・福井工大福井高1年)の4人。午前9時にティーオフした。1番H(561ヤード、パー5)でバーディを奪ったのは湯原選手。あとの3人はパーだったが、酒井選手は第1打を大きく右に曲げて「ファー」の声だったものの、木々の間で見つかり、そこから花道の方に出してピン上に1.5メートルにオン、それをしぶとく入れた。続く2番H(385ヤード、パー4)では小田選手と酒井選手がバーディ、湯原選手と清本選手はパーだった。曲げてしまったラフからしっかり乗せてきたり、微妙なパーパットを沈めたり、今日は接戦のまま進んでいくのではと思わせる緊張感のある戦いだったが、4人ともにバーディパットはなかなか決めきれない状況が続いていた。

 

前半でスコアが大きく動いたのは、8番H(453ヤード、パー4)だった。全員がフェアウェイに第1打を置いたが、第2打で湯原選手がグリーン右に2つあるバンカーの下の方へ入れてしまうと、清本選手はさらに下の草むらの中へ、小田選手もグリーン手前のバンカーへ、酒井選手だけがピン上1メートルにオンさせた。ここで湯原選手と小田選手がボギー、清本選手がダブルボギーとした一方で、酒井選手はバーディとしたのだ。この時点で、湯原選手と酒井選手が通算3アンダーで並び、小田選手がイーブンパー、、清本選手が2オーバーになった。そして9番H(531ヤード、パー5)では湯原選手がボギーとし、2アンダーになり、酒井選手が首位になる。前半を終えて、この最終組のスコアを上回る選手は出ておらず、後半を進むにつれ、優勝争いはほぼこの最終組に絞られた。

 

後半は出だしの10番H(382ヤード、パー4)で、酒井選手と清本選手がバーディ、湯原選手がボギーとしたことで、酒井選手が通算4アンダーになって、一気に優位になる。酒井選手は12番Hでボギーとするも、15番H(461ヤード、パー4)でラフからの第2打を1.5メートルにつけてバーディとする。ここで小田、湯原、清本の3選手がボギーとしたことで酒井選手はさらに優勝に近づいたのだ。16番H(545ヤード、パー5)で酒井選手はボギーとしたが、2位の小田選手、湯原選手と3打差で最終ホールへ。酒井選手は第2打をグリーン奥にこぼし、残る3人はグリーンオン。最初にアプローチした酒井選手の球はショートし、2メートルを残す。すると、ピンの下10メートルほどから小田選手と湯原選手が立て続けにバーディパットを捩じ込んだのだ。差は2打になった。酒井選手のパーパットがカップの脇を抜け、差は1打に。よもやの状況にグリーンサイドも息を呑んだ。が、酒井選手はボギーパットを決めて、大拍手の中、初優勝を飾った。

 

 

クラブハウスに戻る途中、「僕が勝ったの?」と周りに聞いた酒井選手。他の組のことを知らなかったからだが、徐々に笑顔が大きくなった。高校3年生の優勝は、2年前の松井諒哉選手以来2年ぶりだった。

 
 

 

優勝 酒井遼也(JGAジュニア) 286=71、68、76、71(34、37)
2位 小田祥平(新城CC)   287=72、69、73、73(39、34)
2位 湯原光(岐阜国際CC)  287=72、67、75、73(36、37)
4位 松山茉生(グリーンヒル瑞浪GC) 289=70、76、72、71(36、35)
5位 岩井悠真(さくらCC)  291=69、72、77、73(38、35)
5位 橋本拓英(JGAジュニア) 291=71、72、74、74(39、35)
5位 清本貴秀(愛知県ゴルフ連盟) 291=70、73、73、75(38、37)

 

 
通算304ストロークまでの19人が、日本アマチュアゴルフ選手権競技(6月25日〜28日に兵庫県の廣野ゴルフ倶楽部で開催)の出場権を獲得。その内訳は、大学生が12人、高校生が6人、中学生が1人だった。
また、上位20人が中部オープンゴルフ選手権競技(7月10日〜12日に愛知県の緑ヶ丘カンツリークラブで開催)の出場権を獲得した。

 

 

<インタビュー>

 

「いろんな球が打てるように練習してきた結果がようやく出せた」
優勝
酒井遼也選手(JGAジュニア・ルネサンス豊田高3年) 286=71、68、76、71(34、37)

首位と1打差でスタートして、前半で首位タイになると、後半にはあっという間に4打差をつけた。最終的には1打差での勝利だったが、同組の大学生に完敗と言わしめた。「自分が思っていたほど優勝争いは緊張しなかった。スタートの1番Hパー5で右に曲げてしまったけど、上から1.5メートルのシビアなパーパットが入った時、今日はバーディが取れるかもって思ったんです。そしたら、2番Hでイメージ通りのセカンドが打てて、ぴったりついてバーディが取れました。キーとなったのは後半の15番Hパー4です。ラフから残り184ヤード、右からのアゲンストの風だったけど、フライヤーも計算して6番アイアンでストレート系の球で風にぶつける感じで打ちました。1.5メートルについてバーディが取れて・・」と4バーディ、3ボギーの最終日のホールごとのプレーをきめ細かく、やや興奮気味に振り返ってくれた酒井選手。ティーショットは案外左右に散らばっていて、林立する木の方に曲げたりしていたが、焦ることなく、リカバリーしていた。それについても、「できると落ち着いていました」と自信があったそうだ。

というのも、酒井選手は4年ほど前に現在の纐纈コーチに出会ったことで様々なことを学んだ結果なのだ。特にこの半年はスイング改造にも取り組み、入射角を浅くするなど、しっかりと練習してきた。ショットもアプローチもバリエーションを増やし、いろいろなことができるようになった。引き出しが増えたことで苦手が減り、どんな場面にも対応できるようになったと言う。「小学1年からゴルフをしてきて周りのみんなが勝っていって、焦ったし、苦しかった。高校を通信制に変えてからは結果が出なくて、ゴルフをやめようかとも思いました。でも、CGA強化指定選手になって、自己分析をして、まず苦手なアプローチを練習するようになり、教えてもらったトレーニングを続けていくうちに変化したと思います。今年の目標はQTですが、その前にレベル高いこの試合で、よく耐えて、いいゴルフができたし、次の日本アマでも結果が出せたらいいです」。優勝の喜びが酒井選手の言葉ひとつひとつにみなぎっていた。181cm、90kg。

 

 

2位T
小田祥平選手(新城CC・専修大3年)   287=72、69、73、73(39、34)

昨日までショットもパットも安定した印象があった小田選手だったが、最終日はパッティングが今ひとつ決まらなかった。4バーディ、3ボギー、1ダブルボギーだった。「15番でミスってボギーにしたのがターニングポイントだった。16番でバーディを取り損ねたことも残念でしたが、この2日間は酒井選手がとにかく良かった。僕ら(自分と湯原選手)はミスも多かったね」と脱帽気味だった。日頃は関東の試合が多く、CGA競技は中部アマだけ出場の小田選手だが、日本アマで昨年11位以上の結果を期待したい。

 

 

2位T
湯原光選手(岐阜国際CC・東北福祉大3年)  287=72、67、75、73(36、37)

スタートの1番Hパー5でピン下3メートルを沈めてバーディ発進し、5番Hパー3も難しいスライスラインを決めきった。しかし、8番Hパー4で第2打をグリーン右のバンカーに入れてナイスリカバリーをしたもののパットが決まらずボギー、続く9番Hパー5は4打目でピン上1.5メートルにピッタリつけたが入らずボギーとした。後半もなかなかバーディを奪うことができず、10番、15番Hでボギー。ただ、18番Hパー4では、多くのギャラリーが見守る中で、下からの10メートル強のバーディパットを鮮やかに決めた。小田選手が決めた後でのパフォーマンスに、グリーンサイドは大いに沸いた。「昨日も今日もずっとショットがひどかった。なんとかごまかしてやってましたが、特に後半はひどくて、バーディは18番Hのみ。2日目が良かっただけでした」とショットの不調でスコアメイクできなかったと苦笑い。昨年13位に終わった日本アマで、この悔しさをぶつけて欲しいもの。

 

 

4位
松山茉生選手(グリーンヒル瑞浪GC・福井工大福井高1年) 289=70、76、72、71(36、35)

1番Hから2連続バーディを決めたが、3番Hと6番Hでボギーにした。後半はパーパットを凌ぎノーボギー、1バーディだった。「4日間で11個と、バーディが思うように取れなかったけど、際どいパーパットも入ったので良かったかなと思います」。昨年は中3で初めての日本アマ出場29位だった。2度目の今年はさらに上を狙いたい。24年度CGA強化指定選手。

 

 

5位T
岩井悠真選手(さくらCC・日大4年)  291=69、72、77、73(38、35)

苦手な初日に首位に立ったが、3日目に崩したのが痛かった。「今日は出だしから出入りが激しくて、前半2オーバーで折り返して、後半はバーディは一つだけでした。初日に良かっただけでダメでしたね。日本アマで頑張ります!!」。日大ゴルフ部の副キャプテン。昨年の日本アマは初日に出遅れて29位に終わっただけに大学最終年の今年にかける思いは強い。

 

 

5位T
橋本拓英選手(JGAジュニア・三重高3年) 291=71、72、74、74(39、35)

「17番Hパー3で8ヤードほどをチップインバーディが取れて、ホッとしました」と橋本選手は本当に安堵の表情だった。昨年の日本アマは予選通過したが53位。24年度CGA強化指定選手。

 

 

5位T
清本貴秀選手(愛知県ゴルフ連盟・福井工大福井高1年) 291=70、73、73、75(38、37)

スタートから確実にフェアウェイをキープし、堅実にパーをセーブしていった清本選手だったが、8番の2打目を右に曲げてダブルボギー。後半に入って、気分一新し、2連続バーディを奪うなど流れに乗るかと思われた14番Hパー5で第1打を右に曲げ、今日2つ目のダブルボギーとしてしまった。「前半と後半のダボが残念でした」。中部アマ初出場で日本アマ出場を決めた。24年度CGA強化指定選手。

 

 

◆日本アマチュア出場権を得た選手たち

 

8位T
清水大翔選手(中部学連・中部学院大4年) 294=72、78、73、71

「今日は久しぶりにドライバーがまっすぐいっていて、13番Hまでに5アンダーまで伸ばしていたんですが、首位が案外伸びていないのを知って、17番Hパー3で狙ってみようと思っちゃって、そしたら池に入り、失敗しました」と振り返った。「日本アマに繋げていけたらいい。頑張ります」。

 

8位T
石垣敢大選手(CRC白山ヴィレッジ・中京大3年) 294=73、72、75、74

 

10位T
中嶋太造選手(中部学連・福井工大4年) 296=76、73、75、72

「いつも通りの感じ」と可もなく不可もなくといったプレーについて、毎日ニコニコ話してくれた中嶋選手。最終日は2バーディ、2ボギーのイーブンパーでしっかりと日本アマ出場権を獲得した。

 

 

10位T
加藤金次郎選手(JGAジュニア・瀬戸市立水無瀬中2年) 296=78、75、70、73

19人の中で唯一の中学生出場を決めた加藤選手。「3日目と4日目でいいプレーができました。今日は、前半はバーディが来なかったですが、後半に2つ取れました」と難しい片山津を攻略したことに及第点といった感じだった。初めての中部アマ出場が初めての片山津、そこで初の日本アマを決められたのも、小学生時代からのたくさんの試合経験が活かされているようだ。

 

12位
永田丞選手(中部学連・中部学院大3年) 298=78、74、73、73

 

13位
中川瑛太選手(岐阜国際CC・日大1年) 301=74、72、83、72

「今日は前半1オーバー、後半1アンダーでした。13番Hは9メートルのバーデイパットが決まったのは良かった。昨日は全て良くなくてパーを取るのが精一杯でしたが、今日は気分を切り替えてプレーできました」。日本アマは昨年に続き2回目となる。

 

13位T
新井龍紀選手(中部ジュニア・中部学院大2年) 301=73、78、76、74

 

13位T
城野寛登選手(ナガシマCC・近畿大4年) 301=72、75、73、81

3ラウンド目までは順調にスコアメイクしてきたが、最終日の7番Hショートで第1打が木に乗って確認できず、戻って打ち直すというトラブルに見舞われるなど思うように伸ばせなかった。「日本アマは2回目、上位を目指して頑張ります!!」。近畿大ゴルフ部キャプテン。

 

16位T
椎名将大選手(四日市の里GC・日大4年) 304=77、80、73、74

「決勝ラウンドになって、バーディパットも入ったので良かったです」と初めての日本アマ出場を喜んだ。日大では寮生活、「朝の清掃や朝練などきついけど体力もついている」とのこと。

 

16位T
水谷海琉選手(いわむらCC・中部大第一高2年) 304=72、78、78、76

通過が決まって、家族や応援に来ていた方から拍手とハイタッチした水谷選手。「今日は3日間に比べてショットはバラバラだったけど、そのかわりアプローチとパッティングが冴えてた。速いグリーンにようやく対応できたって感じです」。中部アマチュアには3年連続で出場、初めての日本アマ出場を決めた。24年度CGA強化指定選手。

 

16位T
上田涼真選手(養老CC・岐阜聖徳学園高1年) 304=73、73、79、79


24年度CGA強化指定選手。
 

16位T
宇佐美友亮選手(中仙道GC・愛知大4年)  304=73、73、79、79

 

 

<会場フォト>