中部アマチュア(4R成績表)・記事
2018.06.01
平成30年度(第51回)中部アマチュアゴルフ選手権競技
開催日/平成30年5月29日(火)・30日(水)・31日(木)・6月1日(金)
会 場/岐阜関カントリー倶楽部(東コース)
天 候/第1日:曇り 第2日:雨 第3日:雨 第4日:晴
通算8アンダーで日大2年生、桂川有人選手(美濃白川)が逃げ切り優勝
中部アマの最終日は昨日の悪天候から一転、青空の広がる好天に恵まれた。
中部アマチュアゴルファーの頂点、そして、日本アマチュアの出場権を目指す戦いは、第3ラウンドまで通算7アンダーで首位をキープしていた日大2年生の桂川有人選手(美濃白川GC)が一度は後続に並ばれたが、最後は振り切り、通算8アンダーで堂々たる初優勝を飾った。
昨年開催された日本オープンと同様の難しいセッティングがなされた最終日だったが、優勝の桂川選手はスコアは4日間ともアンダーパーをマーク。2位の大澤和也選手(グリーンヒル瑞浪GC・日大4年)は通算6アンダー、3位の今野大喜選手(恵那峡GC・日大4年)は通算3アンダーと、上位3人が見事なアンダーパーでのホールアウトとなった。最終日にピンクのポロシャツで勝負するのが日大流だが、後ろ2組にピンクポロが4人と強さが際立った。
競技の結果、296ストロークまでの16人に日本アマチュアゴルフ選手権競技への出場権が与えられた。また、302ストロークまでの30人に、中部オープンゴルフ選手権競技への出場権が与えられた。
★競技詳報★
首位の桂川選手が通算7アンダー、2位の今野選手が通算3アンダー、3位の杉浦悠太選手(芦原GC・福井工大福井高2年)が通算2アンダーで最終組がスタートしたのは、予定より30分ほど遅れた9時40分だった。
1番H(510Y・パー5)、桂川選手の第1打は4W(バフィー)でフェアウェイを確実にキープし、第2打をピンの上1.5メートルにつけた。今野選手も左ラフからグリーンオーバーするもアプローチで2メートルに、杉浦選手はフェアウェイからグリーン左にオン。そして、今野、杉浦選手がバーディを奪取した後、桂川選手は落ち着いて沈めてイーグル。3人ともに好スタートを切った。続く2番H(225Y、パー3)、桂川選手はもう少しでホールインワンのナイスショットでピン上80センチ。今野選手と杉浦選手はともに左のバンカーの中、しかも近いところで、今野選手は一旦ボールをピックアップ。杉浦選手は先にバンカーアウトしたがショートしボギーで2アンダーに、そして今野選手はあろうことかトップして反対側のバンカーにボールが突き刺さる悲運、ここをダブルボギーとし2アンダーに後退。桂川選手は楽々バーディで10アンダーに伸ばし、一気に差は8打に広がった。
3番H、4番Hと着実にパーを重ねる桂川選手に隙はなく、このまま順調に勝利するのかと思われた。ところが、ゴルフは何が起きるのかわからない。7番H(560Y、パー5)で、桂川選手は第1打をユーティリティで打ち、第3打でオンする作戦に。ところが「風がフォローだと思った」54度での第3打はグリーンに届かず斜面を下って池にポチャリ、ダブルボギーにしてしまう。片や2オンに成功していた今野選手は絶好のイーグルチャンスは外したもののバーディで、2人の差は5打に縮んだ。
さらに9番H(429Y、パー4)、桂川選手は第2打をグリーンオーバー、アプローチも飛びすぎて反対側へ行くミスショット、またもダブルボギーで通算6アンダーまで落としたのだ。今野選手がここをバーディとして4アンダー、ついに2打差。そして、もう一人、前の組の大澤和也選手も1アンダーからのスタートで4アンダーまで伸ばしていて、日大の先輩たちが後輩を捉えようとしていた。
後半に入ると、大澤選手が10番H、11番Hを連続バーディとし、この時点で、桂川選手に追いついた。さすが日本アマチャンピオン、と皆の注目を集める大澤選手は、14番Hでピン50センチにつけバーディ、7アンダーとする。桂川選手は12番Hでバーディ奪取し7アンダーと並ぶと、14番Hで10メートルのバーデイパットを鮮やかに決め、8アンダーで抜け出した。大澤選手と1打差として、そのまま初優勝を決めた。
「自分のプレーに集中することが目標だった。」
桂川有人(美濃白川GC・日大2年) 280=69、71、69、71(37、34)
2番Hを終えて2位と8打差をつけ、独走かと思われた状況から、2つのダブルボギーで一気に2打差まで縮まったことについて、桂川選手は、「7番はティーショットに立った時、正面の木まで行かない方がいいと思いユーティリティにしました。2打目も完璧なショットだと思ったら短かった。風がフォローじゃなかった。9番も風がわからなくて8番アイアンで打ったらキャリーでグリーンオーバーでした。風を読み違えたけど、どちらもショットは良かった。それに、今日は自分のプレーに集中することを目標にしていて、イーブンか1アンダーなら良しと思ってスタートしたので、後半12番でバーディが取れてイーブンになり目標をクリア。あとはボギーを打たないようにとプレーしたら14番で10メートルが入ってラッキーでした」と振り返った。
大澤選手と並んだことを知ったのは、競技委員が話しているのが聞こえたから。それでも、プレッシャーに感じることなく自分のプレーに徹することができるのが桂川選手の強さだろう。日大の10人のレギュラーに1年生から入り、昨年は朝日杯と文部大臣杯で優勝を飾った。同級生の木村太一選手は関東でMVPを取ったばかりだし、清水選手は昨年の日本学生優勝者だ。桂川選手は「これからは体づくりが課題。今年は日本学生を取りたい」と抱負を語った。
物心ついた時にはやっていたというゴルフ。教えたのは祖父の征男さん(74歳)だ。高校進学の時、通信制のルネサンス豊田高を選び、フィリピンのマニラサウスウッドゴルフ&カントリークラブでゴルフ中心の生活をした。進路を考えた時、向こうでお世話になった方にも「長い目で考えて、大学に行くのもいい」と言われていた矢先に、日大から声がかかった。「すごく嬉しかったし、今も楽しい」と桂川選手。征男さんは4日間、送り迎えをし、付いて歩いて見守った。孫の優勝は何よりのプレゼントになった。
◆日大からは5人が日本アマへ
大澤和也(グリーンヒル瑞浪GC・4年) 282=76、67、72、67(33、34)2位
「今日は気合いでした。後半に有人に追いついたことがわかって、頑張ろうと思い直したんだけど、16、17番でボギー、仕方ないですね。でも、最後の18番で8メートルのスライスライン、マウンド越えで難しいのが入ってバーディ取れたのが良かった」。
今野大喜(恵那峡GC・4年) 285=74、69、70、72(35、37)3位
「パットが入らない4日間でした。ずっと、そればっかり言ってますよね。練習して、日本あままでに戻しておきたいです」。世界学生個人優勝して乗り込んできた岐阜関だったが、思うようにはいかなかった。「次に中部に来るのは中部オープン。その時は期待して!」今野選手は今、日大ゴルフ部キャプテンでもある。
木村太一(CRC三重白山・2年) 292=73、75、72、72(36、36)6位
「3日間ショットが悪く、最後の今日が一番マシになりました。ラフが長くて苦戦しました」
永井直樹(緑ヶ丘CC・4年) 294=68、75、73、78(37、41)9位
「今日は3パットが4回とぐちゃぐちゃのゴルフでした。初日の貯金が効いて、日本アマに行けます」。
◆中部学院大からは6人が日本アマへ
大内智文(中部学連・4年)291=69、77、69、76(36、40)5位
「後半に緊張が強すぎて、パットが入らなくなった。一昨年に行った日本アマ、リベンジしてきます」。
金子優将(富士C可児C・3年)294=75、71、72、76(39、37)9位
「プレッシャーに負けそうになったけど耐えました」。日本アマは初出場。
加藤陽輝(TOSHIN Central・2年)294=74、73、71、76(37、39)9位
「まだ実感がないですけど、初めての日本アマに行けて嬉しい」。
三島泰哉(中部学連・3年)296=74、73、76、73(36、37)15位
「カットラインぎりぎりからスタートしたけど、今日はいいプレーができました」。日本アマは初出場。
岩渕隆作(中部学連・4年)296=73、74、73、76(38、38)15位
「今日はカットラインを気にしすぎました。日本アマまでに調整します」。日本アマは5回目の出場。
中山絹也(中部学連・2年)296=70、72、77、77(39、38)15位
「ホントに、取れてよかった。それだけ」
◆CGA強化指定選手(正選手)は3人とも出場権
杉浦悠太(芦原GC・福井工大福井高2年) 289=71、73、70、75(39、36)4位
湯原光(ぎふ美濃GC・西成東部中3年)295=73、74、73、75(39、36)14位
金子駆太(CRC白山ヴィレッジ・ルネサンス豊田高1年)296=74、70、75、77(40、37)15位
◆19位からスタートして、日本アマ出場権
若原亮太(岐阜県連・大阪学院大2年) 292=75、75、72、70(34、36)6位 「今日は2バーディノーボギーでした。いいゴルフができたと思う」(写真左)、織田信亮(杉ノ木台GC・福井工大1年)293=74、72、76、71(37、34)8位「上がりの2ホールでバーディが続いたのがよかった」(写真右)
◆大人組は12人が4日間完走
大学生以下の年代が73人と86%を占めた決勝ラウンド。ミッド・シニア世代はわずか12人が4日間を戦った。「スコアは聞かないで〜」「足がパンパンになってる〜」と嘆きつつも「完走できた、体力もった」「楽しかった」と充実感が上回っていた様子。みなさん、お疲れ様でした。
決勝ラウンド進出の選手/
上田崇宏(関ヶ原GC・40歳)、笠松孝太郎(グランディ浜名湖GC・26歳)、藤井靖啓(GC大樹旭・38歳)、谷光治(ナガシマCC・45歳)、阪野智久(ライオンズGC・46歳)、大橋元(中仙道GC・40歳)、若山裕一(小松CC・50歳)、土岐明彦(富士C可児C・55歳)、鈴木優太(ライオンズGC・30歳)、榊原吉規(知多CC・38歳)、兼松利幸(グリーンヒル瑞浪GC・45歳)、山中敏靖(富山県連)
◆福井工大と付属福井高からは16人が参加。