中部オープン 3R成績表、速報記事を掲載しました
2022.07.14
2022年度(第51回)中部オープンゴルフ選手権競技
開催日/2022年7月12日(火)~14日(木)
会場/愛岐カントリークラブ(中・東コース)
第3日成績表(PDF)
第51回中部オープンゴルフ選手権競技
2022年7月12日(火)・13日(水)・14日(木)
会場/愛岐カントリークラブ(中・東コース)
7077yd Par72
参加人数/128名(うち欠場4名)
アマ22名(うち欠場2名) プロ106名(うち欠場2名)
天候/1R 曇り時々雨、2R 晴れ、3R 曇りのち雨
最終ホールで右の林から劇的イーグル。
30歳の田村光正が通算16アンダーで初優勝。
ベストアマは、中京大3年の菱田健斗選手。
初日、2日目のスコアラッシュで大混戦となった中部オープン最終日は、曇り空でのスタートとなった。日差しがない分、しのぎやすかったが、湿度は高く、11時過ぎくらいからは雨も降り出した。
首位の通算14アンダー、織田信亮(セーレン・株)を追いかけるべく、1打差の通算13アンダーに田村光正(徳田鋼鉄)と大西魁斗(ZOZO)の2選手、通算12アンダーに小木曽喬(フロンティアの介護)、今野大喜(フロンティアの介護)の2選手、さらに通算11アンダーに金子駆大(フリー)、小島大輝(フリー)の2選手が続いていた。
最終日の今日は、ピンポジションも難度を上げたセッティングで選手たちを迎えた。
最初にスコアを伸ばしたのは今野選手で1番(435yd、パー4)をバーディ奪取し、通算13アンダーにして2位タイに上がった。首位の織田選手は2番(570yd、パー5)で第2打を右にOBとしてボギーとすると、続く3番(212yd、パー3)で3パットし連続ボギーで通算12アンダーにする。大西選手も2番でバーディを奪うも4番でボギー、5番でバーディといった具合。昨日コースレコードの小木曽選手も今日はなかなかバーディパットが決まらなかった。
予選2日間のバーディラッシュから今日もどんなバーディ合戦が繰り広げられるかが楽しみであったが、さすがに今日のピンポジはどの選手にとってもらくらくバーディとはいかなかったようだ。
前半を終え、首位に立ったのは、田村選手と大西選手で通算15アンダー、2打差の通算13アンダーに小木曽選手と今野選手、そして前半を32で回った勝亦悠斗選手(ITS)、さらに通算11アンダーに織田選手、金子選手、阪本烈選手(愛岐CC)、前粟蔵俊太選手(フリー)が続いた。
後半に入ると、上位陣はパーセーブが続く中、最終組の3組前の勝亦選手が12番、14番でバーディを奪い通算15アンダーと首位に並んだ。ところが、勝亦選手は16番、17番で連続ボギーとして通算13アンダーに落としたとの情報が入る。その頃、クラブハウスでは先にホールアウトした前粟蔵選手が通算14アンダーでリーダーとなっていた。通算15アンダーの田村選手は12番でボギーとして14アンダーに、もう1人の大西選手は14番で第2打をOBとして13アンダーに落としていた。
18番(532ヤード、パー5)はこの3日間、イーグルもバーディも多く出ているホールで、最終日もここで最後に伸ばし順位を上げる計算を選手たちはしている。
残り2組となり、首位は通算14アンダーの今野選手と田村選手だった。そして、今野選手は、第2打をピン手前にオンさせ、バーディでリーダーとなる状況の中、あろうことか3パットのパーで伸ばせずフィニッシュ。最終組の田村選手はバーディで優勝だったが、第2打を右の林に曲げ、グリーンの右の低いところに落としてしまったのだ。そこからのリカバリーはなかなかに難しいと思われた。一方、同組の大西選手がピンの上、5メートルにつけていて、イーグルならば通算14アンダーと、何人のプレーオフになるのだろうという空気が流れた。
ところが、勝負は劇的な形で決まった。
グリーン右下からアプローチした田村選手の球は高く上がって、なんとカップに直接入ったのだ。イーグル!! 一瞬の出来事に、グリーンを見守っていた人々から大歓声と拍手が起こった。その歓声に驚いた田村選手が下から上がってきて状況を把握し、両手を上げて大喜び。通算16アンダーで見事な初優勝の瞬間だった。
田村選手には賞金500万円のほか、優勝杯が贈られた。また、今年の日本オープン、秋の東海クラシック、さらに来年の中日クラウンズの出場権が与えられた。
★アマチュアの部
ベストアマチュアは、今日を66で回った菱田健斗選手(東海CC・中京大3年)が獲得した。
◆成績
1位 菱田健斗(東海CC) 204=71、67、66(33、33)
2位 杉浦悠太(ぎふ美濃GC) 205=67、70、68(37、31)
3位 湯原光(岐阜国際CC) 208=70、70、68(33、35)
4位 藤田輝人(明智GC) 214=72、70、72(34、38)
4位 岩井悠真(さくらCC) 214=68、71、75(38、37)
★ベストスコア賞
3日間の各日10万円が贈られるベストスコア賞。今年は初日から素晴らしいスコアだった。2日目の63は、愛岐CCコースレコードを塗り替えた。これまでは2004年に開かれた中部オープンで金山勝利プロが出した64だった。また、3日目の今日は、2019年(片山津大会)の覇者、石渡和輝が63を達成した。
1R 65 池村寛世、杉浦斎、佐橋寿樹
2R 63 小木曽喬、織田信亮
3R 63 石渡和輝
<インタビュー>
優勝
超ハードなトレーニングを2年間続け、スケールアップ。
松山英樹の同級生が遅咲きV。
田村光正(徳田鋼鉄) 200=67、64、69(34、35)
皆の目に強烈な印象を残した、劇的なイーグルだった。その1打は、ベアグラウンド状の少し芝がついたライから58度でのロブショットだった。「18番は渾身のティーショットでフェアウェイに置けて、セカンドを調子のいい3Uか軽く5Wか悩んで、5Wにしたんですが、緩みました。右の林からは、左足下がりでピンの奥5メートルに行っていいと思って打ちました。すごい歓声だったので寄ったのかな、と思いました」とその時の様子を振り返った。
通算13アンダーの2位タイからのスタートだった。前半に、3メートルほどの際どいパーパットをしっかり拾いながら2打伸ばして首位タイで折り返した。後半の10番では、左の林に入れてしまったが、そこから真横ではなく、狭い隙間からグリーンを狙った。強引とも無謀とも思える第2打は、ピン奥7メートルにつけてピンチをしのいだ。「伸ばさないと、と思っていたら、途中で、魁斗くんたちが落としたので、セーフティにいこうと切り替えて進みました」。
関西学院高から東北福祉大へ。そこでは松山英樹と同学年。ナショナルチームメンバーとしても活躍した。だが、大学卒業後は、ゴルフをやめて会社に就職したものの、松山たちの活躍を見て、やっぱりプロゴルファーになろうとプロの道へ。転機となったのは2021年の12月、QTファイナルの前日にコロナ陽性になり10日間の隔離生活を余儀なくされた時だ。このままではダメだと全てを見直して、超ハードなトレーニングに挑んだ。それから約2年、毎日のトレーニングは日課となり、ツアー移動中も毎日、近くのanytimeを探して鍛えている。
「500万の賞金はすごくありがたい。日本オープンなどの出場権も本当に魅力的。優勝できて良かった。来月には2人目の子供も産まれますから」。ここまでやったんだ、ビビらへんぞ。強い心も努力の賜物。笑顔がとても素敵な田村選手だった。30歳。
2位
「この、新しいパターのおかげです」
前粟蔵俊太選手(フリー) 202=66、70、66(33、33)
最終組から5組前でスタートした前粟蔵選手が早々と通算14アンダーでホールアウトし、この時点で首位タイでスタンバイとなった。「18番でバーディが取れるし、ほかの人が優勝しますよ」と笑っていたが、結果は2位タイだった。「3日間を通して、よかったのはパッティングです。ドライバーが不安定で、大きく曲がって木に当たったりすると、以前に苦しんだイップスになったような感覚になって落ち着かなくなっちゃって・・。距離は出なくてもアイアンでティーショットもしました。だから、このスコアが出たのは、とにかくこのパターのおかげなんです」と、見せてくれたのがmuquというパターだった。削り出しで1本ずつ手作りされているこだわりのパターだが、「12メートル、10メートル、7メートルと長いのも、2、3メートルの短いのも、全部入ってくれました」。沖縄県出身だが、数年前からは名古屋在住。
2位
今野大喜(フロンティアの介護) 202=66、66、70(35、35)
1番でバーディの今野選手は4番(428ヤード、パー4)から3連続バーディを奪い通算16アンダーまで伸ばしたが、7番(195ヤード、パー3)から3連続ボギーを叩き、折り返した。後半はパーセーブを続け、15番のロングでようやくバーディを奪って、通算14アンダーに戻し、首位タイになったが、中部オープン3度目の優勝は叶わなかった。「
★4位は4選手
大西魁斗(ZOZO) 203=69、63、71(35、36)
「今日はティーショットは良かったですが、後半の15番と16番でどちらもセカンドでOBになりました。残念だったけど、ゴルフの調子は良いので、そのうちにチャンスが来ると思っています」と振り返り、早々に会場を後にした。明日の金曜日から始まる北陸オープン出場に向けて、富山に移動する。今回多くの選手が、中部オープンから北陸オープンのハシゴツアー組だ。
小木曽喬(フロンティアの介護) 203=69、63、71(35、36)
昨日あれだけ入ったパットが今日は入らなかった。しかし、最終18番で、右のグリーンサイドからの10メートル近いアプローチを見事に沈めてイーグルフィニッシュ。大歓声を浴びた。
1イーグル、1バーディ、2ボギーだった。「もったいなかった。でも、あのイーグルで、4位に入れたことで、日本オープンの最終予選から出られるのですごく嬉しいです、良かったあ」。
金子駆大(フリー) 203=68、65、70(36、34)
4バーディ、2ボギーだった。「今日はピン位置が難しかったので、コースの雰囲気が変わって見えた。ショットがブレて、あちこち行きましたが、パットが入ってくれました」。
勝亦悠斗選手(ITS) 203=68、67、68(32、36)
前半から4アンダーと追い上げを見せ、一時は首位にも立ったが、4位タイでフィニッシュした。
★アマチュアの部
ベストアマ
菱田健斗選手(東海CC) 204=71、67、66(33、33)
1イーグル、6バーディ、2ボギーの素晴らしい内容で最終日を終えた。「イーグルは2番で、2打目がグリーン手前2ヤードに落ちて、そこから54度のアプローチが入りました。チップインです、ついてるなーと思ったら、次がボギー。でも全体にはパーを取りつつ、バーディが取れたので良かった」と菱田選手。好調なドライバーが今日もフェアウェイキープを10回できた。日大の杉浦選手との1打差を追いかけてスタートし、追い越すことができ、とても嬉しそうだった。中京大中京高から中京大へ。日大にするか迷った末に、地元を選んだのは、「地元が好きだから」だとか。アマチュアでもスポンサーをつけられるようになった今年、袖には、「澤田建築事務所」の刺繍があった。
2位
杉浦悠太選手(ぎふ美濃GC) 205=67、70、68(37、31)
3位
湯原光選手(岐阜国際CC) 208=70、70、68(33、35)
<会場フォト>