中部オープン本戦 3R 成績表、速報記事&会場フォト掲載しました
2023.07.05
2023年度(第52回)中部オープンゴルフ選手権競技
開催日/2023年7月3~5日
会場/涼仙ゴルフ倶楽部
第3日 成績表(PDF)
第52回中部オープンゴルフ選手権競技
<賞金総額2000万円、優勝賞金500万円>
2023年7月3日(月)・4日(火)・5日(水)
会場/涼仙ゴルフ倶楽部(7129yd、Par72)
参加人数/136名(アマチュア11名、プロ125名)(うち欠場プロ1名)
天候/1R 晴れのち曇り、2R 晴れ、3R 曇り
ギャラリー数/1R 250人、2R 250人、3R 300人
大混戦の最終日。
通算14アンダーで中山絹也選手(宮下製作所)が逃げ切り初V。
初日、2日目の猛暑から一転、雲が広がり、気温も26度ほどだったが、風がかなり強く吹く1日となった。そして、ピンポジションは中部オープン最終日にふさわしく、厳しく設定され、コンディションも3日間のうちで最も固く速く仕上げられた。
予選を通過した83人は7時30分からティーオフ。頂点を目指す戦いは、予選とは真逆の方向から吹いてくる強い風と難関ピンポジとの戦いとなった。真逆の風は、昨日までのフォローがアゲンストになるわけで、3番、9番、18番などのロングで2オン狙いが難しい状況だった。
通算11アンダーで首位の中山絹也選手(宮下製作所)、近藤龍一選手(鳴海CC)、アマチュアの湯原光選手(岐阜国際CC・東北福祉大2年)、通算10アンダーの小寺健大選手(宝塚GC)の4人の最終組は、1番で小寺選手がバーディスタートを切るも、次の2番でボギーとし、その後、全員がバーディチャンスにつけても決まらない苦しい流れとなった。次のバーディが出たのは前半最終9番(539ヤード、パー5)での中山選手だった。それも、大きく右に曲げて斜面の上から2打目をフェアウェイに置き、そこからの第3打がカップを一周して外れるというイーグル逃しのバーディで通算12アンダーに伸ばした。
前半の時点で、首位に立ったのが、最終組から2組前の森岡俊一郎選手(宝塚GC)で、9アンダーから4打伸ばして通算13アンダーとしていた。1打差の通算12アンダーに中山選手、金子駆大選手(フリー)、さらに通算11アンダーに小寺選手、岡島功史選手(フリー)。通算10アンダーには早いスタートの柴田将弥選手(センチュリーシガGC)や遠藤真選手(太平洋C御殿場WEST)、小野田享也選手(浜名湖CC)らが名を連ね、勝負の行方はますます混沌としてきた。
選手がホールアウトを始めると、いきなり通算11アンダーで石渡和輝選手(SHUUEI)、続いて柴田選手も11アンダーと、2人が長らくクラブハウスリーダーになっていた。
後半に入り、中山選手が11番でバーディを奪い通算13アンダーとすると、この時点で首位は森岡選手と同組の金子選手の3人になった。最終組の中山選手は14番で5メートルを沈めるバーディ奪取で通算14アンダーとし、単独首位となる。しかし、17番で金子選手が値千金のバーディを奪取し、ついに通算14アンダーに伸ばして首位タイとしたのだ。そして18番、カップは池に近い左に切られていた。
金子選手は第3打を左に飛ばし、球はグリーンからこぼれた。一方、森岡選手は第2打がグリーン右へ。パーで収めればリーダーを守れる金子選手、バーディで首位に並びたい森岡選手だったが、あろうことか、金子選手は2パットのボギー、森岡選手はバーディパットが決まらずパーフィニッシュ。あとは中山選手を待つことに。18番に通算14アンダーでやってきた中山選手は、第1打を右に曲げたが、木に跳ね返ってフェアウェイに戻るラッキー。残り100ヤードにレイアップしての第3打はピンの上4メートルについた。そして、バーディパットは惜しくも外れたもののきっちりパーセーブで、初優勝を決めた。自分の状況がわからなかった中山選手は、おめでとうの声でようやく勝利に気付いたのだった。
中山選手は、優勝賞金500万円のほか、副賞の宿泊券、さらに、今年の日本オープンの出場権、バンテリン東海クラシックの出場権、来年の中日クラウンズの出場権も手にした。
また、アマチュアの部は、湯原光選手が通算5アンダーでベストアマを獲得した。
表彰式では、特別賞としてベストスコア勝、アルバトロス賞、コースレコード賞がそれぞれ送られた。
成績(敬称略)
総合優勝 中山絹也(宮下製作所) 202=67、66、69(35、34)
ベストアマ 湯原光(岐阜国際GC) 211=67、66、78(40、38)
アマの部
1位 湯原光(岐阜国際CC・東北福祉大2年) 211=67、66、78(40、38)
2位 酒井遼也(JGAジュニア・ルネサンス豊田高2年) 214=71、72、71(35、36)
3位 橋本拓英(JGAジュニア・三重高2年) 217=71、72、74(36、38)
4位 新井龍紀(中部ジュニア・中部学院大1年) 218=71、72、75(33、42)
5位 小栗輝也(明智GC・大阪学院大1年) 218=72、69、77(36、41)
ベストスコア賞(各日10万円)
1R 63 / 髙橋慶祐(杜の公園GC)
2R 66 / 中山絹也(宮下製作所)、近藤龍一(鳴海CC)、岡島功史(フリー)、湯原光※(岐阜国際GC)、冨田幸暉(飛騨高山CC)
3R 65 / 今野大喜(フロンティアの介護)
アルバトロス賞★涼仙GCより記念品が贈られた
近藤龍一(鳴海CC)2Rに3番で達成した
コースレコード賞★涼仙GCより記念品が贈られた
髙橋慶祐(杜の公園GC)1Rにマークした63は、それまでの65からの記録更新となった
<インタビュー>
総合優勝
中山絹也選手(宮下製作所) 202=67、66、69(35、34)
3日間で16バーディ、2ボギー。最後の18番まで安定したショットを繰り出し、2位に1打差で競り勝った中山選手。その18番では3オンしたピンの上4メートルのバーディパットを外し、タップインしようとした時に、同組の湯原選手に「最後に打ったほうがいいのでは」と声をかけられた。自分が優勝するとわからなかった中山選手が確信の笑顔になったのは、ハウスに戻る途中で、桑原克典プロからの「おめでとう」の声だったという。
三重県の津田学園高を卒業後、中部学院大に進学。4年生の時にプロ合格して、4年目となる。Abemaツアーに出ていた年もあったが、昨年10月に行われたQTセカンドを通過できなかった。「まさか落ちると思っていなかったから、ものすごくショックだった」と中山選手。だが、気持ちはポジティブだった。「この際だから、身体を鍛え直そう」と昨年の12月からトレーナーの元でハードにトレーニングをすると同時に、コーチと一緒にスイングも見直しをした。今も続けているトレーニングだが、おかげで、体重は4キロ増えて67キロになった。飛距離はキャリーで270ヤードに、コースではこの3日間も、7〜8割の力でショットをしていた。身体を使って振るスイングが身についた。筋肉がしっかりしたことによる安定感は、傍目から見てもわかるほどだった。
「今年はとにかく試合に出られないので、この優勝で日本オープンに出られる。それに今日知りましたが、バンテリン東海クラシックと、来年の中日クラウンズにも出られるなんて、すごく嬉しい。チャンスを活かして、出場権をつなげていきたい!!」
実家が涼仙GCから10分ほどで、子供の頃からここの練習場に来ていたという中山選手。縁ある地での中部オープン優勝が飛躍の一歩になって欲しいものだ。
ベストアマ
湯原光選手(岐阜国際GC) 211=67、66、78(40、38)
「今日の最終日は全くダメでした」と悔しそうに語った湯原選手。前半からボギーが先行した。「ショットの縦距離が合わず、パットも入らずで、流れが悪かった。5番で10メートルのパーパットが入って、流れが良くなるかなと思ったんですが、7番のショートでバンカーショットをピンオーバーして、また流れを悪くしてしまった。最初に自分がミスしたことが原因ですが、ちょっとずつおかしくなってしまいました。いいところなし、でした」と反省しきり。
アマチュア優勝も視野に入っていただけに、まさかの乱調は本人も戸惑うほどだったに違いない。ベストアマチュアには輝いたものの、「5位以内に入って、日本オープンの予選に出たかった」湯原選手の悔しさはいかほどか。
<会場フォト>