中部オープン本戦 3R成績表、速報記事、フォト 掲載しました

2024.07.12

2024年度(第53回)中部オープンゴルフ選手権競技

開催日/2024年7月10日~12日

会場/緑ヶ丘カンツリークラブ

第3日成績表(PDF)

 

 

第53回中部オープンゴルフ選手権競技
2024年7月10日(水)・11日(木)・12日(金)
会場/緑ヶ丘カンツリークラブ  6772yd、Par70
参加人数/120名(アマチュア15名(うち欠場1名)、プロ105名(うち欠場1名)
天候/1R 曇りのち雨、2R 曇り時々雨、3R 雨のち曇りのち晴れ

 

35歳、権藤紘太選手(ザ・トラディションGC)が通算11アンダーで初優勝

ベストアマチュアは、高校1年、松山茉生選手(グリーンヒル瑞浪GC)


第53回中部オープンゴルフ選手権競技の決勝ラウンドは長い1日となった。朝7時30分に予定通りティーオフが始まったが、アウト、インともに3組がスタートした7時55分、昨夜から降り続く雨がさらにひどくなり、競技が中断された。選手たちはクラブハウスに戻り、待機となった。そして、競技再開となったのは11時30分だった。

 

スタートでは選手の名前をアナウンサーがコールするプロ競技らしい演出もあった。

 

競技再開後は、徐々に雨は小降りとなり、16時ごろには薄日もさすほどに天候は回復した。

 

注目はやはり最終組だった。2日目に通算10アンダーで首位に並んだ35歳の権藤紘太選手(ザ・トラディションGC)と15歳、福井工大福井高1年で日本アマチャンピオンとなった松山茉生選手(グリーンヒル瑞浪GC)、3位で通算7アンダーの冨田幸暉選手(飛騨高山CC)、通算6アンダーの長谷川貴優選手(フリー)の4人がスタートしたのは12時35分。1番(350ヤード、パー4)で、松山選手は右ラフからの第2打がトップしグリーン奥にOB、2パットのダブルボギーでいきなり通算8アンダーに落とす。松山選手は続く2番(518ヤード、パー5)でバーディを奪い通算9アンダーに戻すが、権藤選手もバーディで通算11アンダーに伸ばした。その後、4番でバーディを取り、スタート時の10アンダーに戻した松山選手だったが、6番(502ヤード、パー4)でピンの上1メートルのパーパットを外してボギーにすると、そこから松山選手の調子がおかしくなり、前半で通算4アンダーまでスコアを落とした。一方、権藤選手は3番以降は危なげなくパーセーブを続け通算11アンダー、冨田選手は1バーディ、1ボギーの通算7アンダー、長谷川選手も1バーディ、1ボギーの通算6アンダーだった。前半を終え、権藤選手が首位をキープ、2位は前の組の安浦一輝選手(阪奈カントリークラブ)で通算9アンダー、3位にはアマチュアの高校3年生、酒井遼也選手(JGAジュニア)が通算8アンダー、南大樹選手(大阪ゴルフクラブ)が通算7アンダーにそれぞれ伸ばしていた。

 

後半に入り、首位を追う選手たちだったがなかなか伸ばしきれず、安浦選手が14番(326ヤード、パー4)でバーディを奪い通算10アンダーまで伸ばしたがその後落とす。南選手が後半2バーディを奪って通算9アンダーで総合2位に入ったが、権藤選手には届かなかった。
後半にスコアを伸ばしてきた選手も最終18番(522ヤード、パー4)でボギーを叩いてしまうことも多く、最後まで気の抜けないフィニッシュとなっていた。そんな18番の様子はCBCテレビ放送の生配信で放映されており、クラブハウスのモニターの前では多くのギャラリーが食い入るように見つめていた。
優勝争いは、首位で折り返した権藤選手が2バーディ、2ボギーで通算11アンダーの首位をキープして最終ホールに。第1打はすんなりとフェアウェイに運び、残り242ヤードを5Wでピン奥4メートルに乗せた。バーディパットは決まらなかったがパーをセーブして、中部オープン初優勝。仲間からウォーターシャワーの盛大な祝福を受けた。最終組がホールアウトしたのは実に17時51分。表彰式は18時20分から行われた。権藤選手は賞金500万円、2Rのベストスコア賞、副賞の他、日本オープン、バンテリン東海クラシック、来年の中日クラウンズの出場権を獲得した。

 

また、アマチュアの部は、前半を通算8アンダーで折り返した酒井選手が後半に崩れてしまい、松山選手が後半に2バーディ、1ボギーの通算5アンダーで、ベストアマを獲得した。

 

成績(敬称略)

 

総合の部

総合優勝 権藤紘太(ザ・トラディションGC) 199=65、65、69(34、35)

 

アマチュアの部

ベストアマ 松山茉生(グリーンヒル瑞浪GC) 205=64、66、75(41、34)
2位 矢野仁貴(JGAジュニア)  206=69、68、69(36、33)
3位 酒井遼也(JGAジュニア)  209=67、69、73(31、42)
4位 湯原光(岐阜国際CC)  212=72、70、70(37、33)
5位 岩井悠真(さくらCC)  213=72、70、71(36、35)
加藤金次郎(JGAジュニア) 213=70、71、72(37、35)

 

ベストスコア賞(各日10万円、@アマチュアは記念品)

1R 64=冨田幸暉(飛騨高山CC)、渡辺龍ノ介(フリー)、@松山茉生(グリーンヒル瑞浪GC)(写真左から、阿部博CGA副会長と  )


2R 65=権藤紘太(ザ・トラディションGC)


3R 66=田村光正(徳田鋼鉄)、井垣璃玖(犬山CC)

<インタビュー>

 

プロ14年目のビッグタイトル。35歳の努力は報われた。
総合優勝
権藤紘太選手(ザ・トラディションGC) 199=65、65、69(34、35) 

中断の間、レストランで仲間たちと談笑してリラックスしていた権藤選手が首位タイでスタートしたのは12時35分。出だしの1番でセカンドオナーで放った第2打はグリーン手前の花道に止まった。すると、松山選手が右ラフからの第2打をトップしてグリーン奥にOBとしてしまい、第4打もグリーンオンしたが手前に止まる。その状況で権藤選手は絶妙のロブショットでピン奥1メートルにつけてパーセーブし、松山選手と2打差になった。前半にバーディ1つで通算11アンダーに伸ばした折り返し時点では松山選手とは6打差、2位と2打差の単独首位だった。「13番で2回も暫定球を打ったけど最初のが生きていてナイスボギーで終われたのが良かった。自分の順位が分からなかったけど、16番でバーディが取れた時にもしかしたら行けるかな、って思ったんですよ。でも17番ですぐにボギっちゃいましたけどね」といつもの笑いで振り返ったが、最後の18番では集中していた。グリーンに上がると、奥で仲間が水を持って待っていた。「自分が首位だって思いました」と上からの4メートルを2パットでパーセーブした。
 

 
栄徳高2年と3年の時に中部ジュニアを連覇。名商大4年の時に日本アマチュア決勝戦に進出したが阿部裕樹に10−8で大敗。2015年に金谷拓実が中島啓太を10−9で破るまで記録が残った。その大学4年の2010年にプロテストを合格し、中部オープンで上位に入るなど日本オープンにも出場したりしたが、なかなか結果は出なかった。年月が過ぎ、2014年ごろから曲がらないのが自慢だったドライバーが曲がり始める。それが試合中にも止まらなくなった。一番辛かったのはお客さんと回る時だったという。「気楽に回れるはずの時にもOB連発で、逆にお客さんに気を使わせてしまって・・」。同世代の仲間たちが次々と競技をやめていくこともあり、自分もやめようかと考えた。そんな折に、岡崎ロイヤルパークで行っている「岡崎ジュニア育英会」のコーチを引き受けることになった。「やり始めると、自分が教えるものは何だろうと考えました。まず自分がしっかり打てないとダメじゃないですか」。そうして出会ったのが、大阪でコーチをする森岡賢さんだった。「ダメな原因がはっきりしているから大丈夫、イップスは技術で治るから」と去年の4月からスイングを見直し続けて、最初は真逆なことに戸惑ったが続けるうちに球が戻ってきた。今年の愛知県オープンでは決勝の最終組を回った。「あの時は、後半ズルズルと落ちてしまった」権藤選手だったが、今大会では2日目を終えて首位タイ。そして、3日連続の好スコアをマークしての優勝だった。
日本アマチュアを15歳の最年少で獲った松山選手との最終組は「楽しみの方が強かった。予選を一緒に回った近藤龍一先輩が『魅力しかない』とベタ褒めした茉生くんですからね」と権藤選手。
今年の岐阜オープンクラシックで近藤選手が優勝した際も率先して水をかけていた権藤選手が、ついにかけられる側になった。「今も田原氏の実家にいますが、長い間、心配ばかりかけてる両親と弟、仲間たちに感謝したい。日本オープンでは中部の代表として出るので頑張ってきます!!」。

 

 

◆アマチュアの部

 

 

ベストアマ
松山茉生選手(グリーンヒル瑞浪GC) 205=64、66、75(41、34)

トップタイでスタートしたが、出だしのつまづき、さらには6番でのショートパットを外したミスから前半に大きくくずしてしまった。「6番からパッティングが決まらなくなったし、ショットもよく曲がった。ウエッジの距離感も合わなかったです」と振り返った。「前半に打ち過ぎたので後半に取り戻したかった。2バーディを取れましたが、届かないままで終わってしまった。悔しいです」とテレビのインタビューでも語った松山選手。2日目までの安定したショットとパッティングが最終日では思うように発揮できなかったが、それでも皆を惹きつける魅力たっぷりな選手であることには変わりない。名古屋市守山北中からこの春、福井工大福井高に進学。寮生活を送っている。日本アマチュア優勝の前週にはトヨタジュニアゴルフワールドカップ2024(中京GC石野コースで開催)で男子個人の部で優勝、世界一のタイトルも獲った。2週間後には中部ジュニア、さらには日本ジュニア、日本オープンと注目される競技が続いていく。

 

2位
矢野仁貴選手(JGAジュニア)  206=69、68、69(36、33)

17番を終えて通算5アンダーで最終18番を迎えたが、ここをボギーにしてしまい通算4アンダーでフィニッシュした。「最後はセカンドでダフってしまいました。今日はフェアウェイに2回しか行かなかったし、パーオンもできず、ずっと耐えてました。でも、3日間を通しては悪くなはかったかな」と笑顔で振り返った。名古屋高3年。

 

3位
酒井遼也選手(JGAジュニア)  209=67、69、73(31、42)

前半を通算8アンダー、首位の権藤選手と3打差。この時、アマチュアトップで折り返した酒井選手だったが、後半12番で右OBのトリプルボギー、18番では第1打と第4打でOBを打つ8打の洗礼を受けた。「ショットの調子はいいんです。いつも通りスイングできてると思うのですが、OBが出てしまった。また、頑張ります」。ルネサンス豊田高3年。

 

4位 湯原光選手(岐阜国際CC)  212=72、70、70(37、33)

3日間ともアンダーパーを出せずに終わった湯原選手。「プレイベートでは(アンダーが)簡単に出るのに、試合になるとさっぱり出なくなる。中部アマの時もそうだった。なんなんでしょう。下手だなあと思います」と本音をポロリ。特に調子が悪いわけでもないのにどうも思うようにいかないようだ。とはいえ、今年はすでに、岐阜オープンクラシック2024ベストアマを獲得し最終日は、愛知県男子アマ2024で優勝。今年の国民スポーツ大会の愛知県代表に決まっている。東北福祉大3年。

 

5位
岩井悠真選手(さくらCC)  213=72、70、71(36、35)

インからスタート。「今日は5バーディ、4ボギー、1ダブルボギーでした。バーディがあっても、ボギーやダボもあるから、今日も1オーバーでした」と笑いながら反省。日大4年。

 

5位
加藤金次郎選手(JGAジュニア) 213=70、71、72(37、35)

最終日はインからスタートし、1バーディ、3ボギーだった。「前半のインでバーディが取れま したが、後半は取れなかった。3日間通して、バーディが多く取れたことは良かったかなと思います。特に2日目は5バーディでした。反省点はボギーも多かったこと。3パットも2回ありました。収穫は、ショートゲームがいつも通りできたことです」。瀬戸市立水無瀬中2年。

 

 

総合3位
冨田幸暉選手(飛騨高山CC) 203=64、69、70(35、35)

通算7アンダー3位で決勝は最終組、5バーディ、5ボギーだった。「今日はドライバーが曲がってましたが、ラフからのアイアンがうまくいった、グリーンのいいところにつけられた。有償に絡めそうなパットをいくつか外してしまったのが残念です。でも粘れたし、後半の16番で6メートル、17番で上から80センチのバーディパットを沈められたのが良かった」と、冨田選手は小学生の頃から変わらないニコニコ顔で振り返った。雨で競技が中止になったら(アマがいるので)賞金は250万だと密かに算段していたが、結果は中断前と同じ総合3位でフィニッシュ。ただ、賞金は150万円となった。日本オープン最終予選出場権と、1Rのベストスコア賞で均等割の5万円もゲットし喜んだ。24歳。

 

◆3Rのベストスコア 66をマーク

 

19位タイ
井垣璃玖選手(犬山CC) 209=69、74、66(34、32)

2Rで通算3オーバー59位タイで決勝進出、インからスタートして4バーディ、ノーボギーだった。「14番で10メートルのバーディが入り、その後、16番のロング、17番は上から2メートル、3番は左横から5メートルが決まりました。初日からショットが良くなかったんですが、昨日、(今回生配信の解説をした)田中秀通さんと話す機会があって、アドバイスをもらったんです。ショットの向き方、狙い方、スイングのタイミングなどでしたが、今日試しながらやってみたらスコアに出ました。良かったです」。均等割5万円を獲得した。次は北陸オープンに出場予定。30歳。

 

27位タイ
田村光正選手(徳田鋼鉄) 210=71、73、66(33、33)

2年前の第51回(愛岐CCで開催)で劇的イーグルで優勝した田村選手が3Rのベストスコア賞を獲得した。「今回は予選ギリギリの位置(66位タイ)から決勝ラウンドだったのでノープレッシャーで回りました。インから出て、後半の6番が終わって7バーディ、1ボギーの6アンダーだったんですよ。でも7番ショートでバンカーの目玉になって、次にまたバンカーに入ってしまってダブルボギーでした」と振り返るのも楽しそうな笑顔。「楽しく、のびの〜びやってました。このコースはトリッキーなんで、攻め方が3日目にしてわかって来たなあって感じです。今回予選ラウンドで松山くんと回ってすごく感動しました。彼の力を中部の方々が大事に厳しく育ててほしいなあと思いました。中部オープンは皆さんが暖かく迎えてくださるのでとても嬉しいです」。32歳。

 

<会場フォト>

 


総合2位  南大樹選手(大阪ゴルフクラブ) 201=66、68、67


会場のモニターで生配信映像


生配信はスマホでも見れた