[2012]中部シニアオープン(第2日成績表・記事)掲載
2012.10.19
第12回中部シニアオープンゴルフ選手権競技
開催日/2012年10月18・19日
会 場/葵カントリークラブ
距 離/6585ヤード PAR72
参加人数/142名(内 欠場26名)
天 候/晴
【第2日】
川瀬選手(フリー)、2連覇達成。
山下選手(能登G)、惜しい4位
前日の雨がやんで、天気は一転してボールが想像以上に煽られる強風の中で行われたシニアオープン第2日の決勝。風がアゲンストのホールでは、平常より3番手も大きいクラブを使わなければいけない状況でした。
そんな中で、川瀬選手(フリー)は、風を着実に読み、安全運転のゴルフで36とパープレー。一方、昨日トップの山下選手(能登G)は1番こそ川瀬選手と揃ってバーディースタートでしたが、出だしから2オンしない、パットが入らないゴルフとなって前半42。本人も予想外のショックでした。
後半に入っても川瀬選手は、風に負けずしぶとくパーを堅持、14Hで1打落としましたが73でホールアウト。通算トータル143で本競技の2連覇を達成しました。山下選手は、後半が38。敗因はすべてが風による出だしのつまずきにありました。
川瀬選手を懸命に追い続けたのが伊藤正己選手(明智)、菅原洋一選手(緑ヶ丘)、永井友之選手(みずなみ)、柴田猛選手(フリー)の面々でした。しかし中部オープン3勝の実績、最近はツアーにも出場している川瀬選手の底力が一枚上手でした。
またプロ60歳以上の特別表彰では、中部プロゴルフ協会会長の寺嶋誠志選手(三鈴)が3位入賞を果たし、表彰式で同僚選手たちから大きな祝福の拍手をもらっていました。
ローアマには大西好平選手(三重フェニックス)が11位タイ152スコアで獲得しました。大西選手は、川瀬選手のレッスン生徒であり、まさに師弟ダブル栄冠となりました。
表彰式では、中部ゴルフ連盟川口会長が、選手の健闘にねぎらいの言葉を贈られましたが、結びの言葉で、選手たちの日常のレッスン活動において、とくにジュニアゴルファーたちの育成にシニアの熟練の技術を伝授してほしいと話されました。表彰された選手は、次の通りです。
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写真左から森俊光、大西好平、川瀬順次、柴田猛の各選手
総合の部
優勝 川瀬順次プロ(フリー) 143 (賞金100万円)
2位タイ 伊藤正己プロ(明智) 146
2位タイ 菅原洋一プロ(緑ヶ丘) 146
4位 山下英章プロ(能登G) 148
5位タイ 永井友之プロ(みずなみ) 149
5位タイ 柴田猛プロ(フリー) 149
5位タイ 林照康プロ(㈱ウイル・ビー) 149
アマチュア50歳代の部
1位 大西好平選手(三重フェニックス) 152
2位 小野充雄選手(名古屋) 155
3位 小澤啓二選手(岐阜関) 159
4位タイ 泉章選手(笹戸)161
4位タイ 牧野公洋選手(ザ・トラディション) 161
4位タイ 山下茂選手(小原) 161
アマチュア60歳以上の部
1位 森俊光選手(岐阜) 155
2位 川野政幸選手(日本ライン) 158
3位 藤田敏和選手(愛知) 159
4位 天野和雄選手(葵) 161
5位 青木武人選手(四日市) 162
プロ60歳以上の部
1位 柴田猛プロ(フリー) 149
2位 竹下忠直プロ(新城) 150
3位 寺嶋誠志プロ(三鈴) 151
<特別賞>
ベストスコア賞(賞金:各日10万円)
第1日 68ストローク 山下英章プロ(能登G)
第2日 73ストローク 川瀬順次プロ(フリー)
73ストローク 伊藤正己プロ(明智)
73ストローク 神谷英夫(フリー)
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<インタビュー>
「ツアーで学んだことを活かしました」
2連覇で飾った総合優勝
川瀬順次プロ(フリー) 143=70、73(36、37)
強烈な風が吹いた決勝ラウンドで、終始、堅実なプレーが光った川瀬プロ。昨年のルーキー優勝に続く、価値ある2連覇となった。
1番H(495Y、パー5)、第1打、第2打をフェアウェイに運び、ピン左に3オン、バーディパットを慎重に沈めて、さっそく通算3アンダーにスコアを伸ばした。このホールで首位スタートの山下英章プロもバーディとしたことで、二人の闘いになるのかと思われたが、2番Hから山下選手はスコアを崩してしまった。一方、川瀬プロは、ティーショットをフェアウェイに手堅く、第2打をグリーンに乗せる万全のゴルフを展開。距離のあるバーディパットは決まらなかったが、かわりに、微妙な3、4メートルのパーパットをきっちり決めるというパーセーブを続けたのだ。前半を終えた時点で、通算2アンダーで2位の近藤年弘プロ(鳴東GC)に2打差をつけていた。後半に入り、10番H(395Y、パー4)で近藤プロがダブルボギーをたたき、一歩後退。追いかけるはずの他の選手たちも思うに任せない状況が続いた。川瀬プロは、14番H(175Y、パー3)で3パットのボギーをたたいたが、今日を73でホールアウトして、通算1アンダー。2位との差を3打差として、連覇を飾った。
「今日は、ショットが安定していました。これは、実は、今年参戦していたツアーで学んだことなんです」と川瀬プロは話しだした。「コントロールをしっかりして打つようになったんです。どうやって曲がらないかを、考えてた時に、植田浩史プロと同組になり、彼がフルショットをしないのを見たんです。それを参考にして、特に100ヤード以内では押さえてショットするようにしたら、上手くいって・・・。そして、もうひとつ。アゲインストの風の時など、噴き上がってしまいそうな時も、フルショットをしないクラブ選択をするようにしました。ツアーで学んだことが活かせて、よかったですわ」。
「連覇したい」とは考えていたが、それよりも「自分のゴルフを出せるか」を意識したという川瀬プロは、まだ今年の試合を残している。「それに向けて、波に乗っていけるかな」と優勝をかみしめていた。
アマチュア50歳代の部 1位
大西好平選手(三重フェニックス)
152=78、74(40、34)総合11位タイ
1番HでいきなりOBを出してダブルボギー、2番Hでもボギーとして、早々に通算9オーバーにしてしまった。「もう、ショックでした。ドタバタして、前半は40たたいちゃいました」と振り返った大西選手だが、後半になると、落ち着きを取り戻し、11番H、16番Hでバーディを奪って後半34。今日を74で回って、通算8オーバーとした。
166cm、52kgの小柄な体だが、260ヤードの飛距離がある。「どうしてそんなに飛ぶの?」と記者の質問に、「特別なことはしていませんよ。走るのが早いことが関係してるかなあ。100メートル11秒ですから(笑)。それよりも、僕は家内と一緒に、もう4年、川瀬プロに教えてもらっているんで、「左にふれー」っていう教えを守ってます」。
31歳からゴルフをはじめ、競技に出るようになったのは43歳、今年で10年目という。これまでは目立った成績がないせいか、1位となったことにとまどい気味であった。
アマチュア60歳以上の部 1位
森俊光選手(岐阜)
155=78、77(40、37)総合19位タイ
「アイアンがピンに絡んでくれたのがよかったです。それに、長年のパターイップスから解放されたことで、パッティングもいい感じでした」。
この秋、開催された三重県シニアオープンでも、アマチュア60歳代の部のタイトルを獲ったばかり。「今回は強い人が出場していないんで、ラッキーでしたね」。
プロ60歳以上の部 1位
柴田猛プロ(フリー)
149=75、74(37、37)総合5位タイ
1番Hからバーディ、ボギー、バーディとスタート。好調な滑り出しに気を良くし、5番ロングホールでもうひとつ、と欲を出した。ところが、砲台グリーンの斜面につかまり、40ヤードのアプローチがコロコロと下ってきてしまった。「あそこでたたいたのが、響いた」と悔しがった柴田プロだが、「僕は風はまったく気にならないんですよ。むしろ、雨はいやだね」と、他のプロたちとはまるで違うコメント。なぜかというと、それは、柴田プロのグリップにあるのだ。柔らかくグリップを握るスタイルが柴田流、だが、雨の日はどうしても力が入ってしまうからなのだとか。「一度、このシニアオープンで優勝したかったんだけどね、まあ、60歳代の部で勝てたことを喜んでますよ」と締めくくった。