中部シニア本戦 2R成績表、記事を掲載しました

2019.07.19

2019年度(第53回)中部シニアゴルフ選手権競技
2019年7月18日(木)・19日(金)
会場/タートルエースゴルフ倶楽部 6535ヤード・Par72
参加人数/162名(うち欠場4名)
天候/第1日:曇り  第2日:曇り時々小雨

 

第2日成績表を掲載しました。(こちらからご覧ください。)

 

プレーオフで劇的チップインバーディを決め、

藤井広文選手(桑名CC)がシニア8年目に嬉しい初タイトル!!

 

 
中部シニアの決勝ラウンドは、心配された雨もほとんど降ることなく、時折小雨がぱらつく程度。ただ蒸し暑い1日だった。進出したのは、80ストロークまでの104人。首位は3アンダーの福島道章選手(六石GC)と藤井広文選手(桑名CC)の2人ながら、日本シニア出場権枠の14人をめぐる攻防は、誰にでもあると言っていいほどの混戦が予想された。

 

前半。最終組一つ前の木田正彦選手(名張CC)はイーブンパーでスタートし、1番(384yd・パー4)、3番(512yd・パー5)をバーディとして通算2アンダーに。4番を終えたところで、最終組の福島選手、藤井選手、そして、イーブンパースタートの松村和彦選手(EGC伊勢大鷲)がそれぞれ通算1アンダー、2アンダー、2オーバーとスコアを落としており、首位は藤井選手と木田選手になっていた。ところが、続く5番(397yd・パー4)、6番(359yd・パー4)で木田選手は連続ボギーでイーブンパーに戻る。藤井選手は6番で、グリーン手前のカラーから寄せきれずボギーとし通算1アンダーで単独首位となった。福島選手はパッティングに苦しみ、なかなかバーディが取れないでいた。
そして、折り返し時点では、藤井選手が通算1アンダーで首位、2位は通算イーブンパーで木田選手と福島選手、さらに通算1アンダーで続いたのが、第9組スタートの杉山尚史選手(岐阜関CC)で実に前半を4バーディ1ボギーの33で追い上げていた。通算2オーバーには松村選手、服部鉄也選手(名四CC)、通算3オーバーに大山碩済選手(ライオンズGC)、柴谷敏文選手(各務原CC)、後藤繁生選手(明智GC)と早いスタートの選手も虎視眈々と上位を狙う様相となっていた。

 

タートルエースGCのグリーンはとても大きく、2段、3段となっているホールもあり、傾斜や目も読みづらい。今日のコンディションはスティンプ9.5と昨日より少し早く、ピンポジションはさらに難しく設定されていた。選手たちは、タッチを合わせ、ラインを読み切るのにとても苦労している様子だった。

 

後半藤井選手は14番(515yd・Par5)までパーセーブを続け首位をキープ。一方、木田選手は11番、12番でボギーを叩き、首位と3打差に、松村選手は堅実にパーセーブを続け、同じく3打差。このまま藤井選手がリードを保っていくかと思われたのだが、15番で3パットのボギーを叩くと、17番(361yd・パー4)ではアプローチがうまくいかずボギーで、通算1オーバーになり、2位の木田選手との差は1打に。最終18番(363yd・パー4)の結果次第ではプレーオフもある状況になったのだ。
先をゆく木田選手は、バーディパットが惜しくも外れパーとし、通算2オーバーでホールアウトした。そして、藤井選手の第2打はグリーン奥にこぼれた。難しい下りのアプローチはやや勢いがついたのかピンを2メートルオーバー。下からのパーパットが入らず、プレーオフが決定。また、松村選手は通算3オーバーで1メートルのバーディパットが決まれば、プレーオフの仲間入りだったが、パーでホールアウトした。

 


 

プレーオフは1番ホールから始まった。藤井選手、木田選手ともにフェアウェイをキープ。藤井選手の第2打は、残り137ydを7番アイアンで打つと、「アドレナリンが出ちゃった」とグリーンをオーバー。木田選手はピン手前4メートルにナイスオンした。絶対に寄せなければならない藤井選手の第3打。「逆目の下りだった。パーで上がって、次のホールに行けたらいいな」と放たれた58度のアプローチは実に柔らかく上がり、ラインに乗った。あとは距離が届くか、というボールは最後のひと転がりでカップに吸い込まれた。バーディ!! 大きなガッツポーズで喜ぶ藤井選手。あとは、木田選手のバーディが決まるかどうか。皆が固唾をのんで見守る中、バーディパットは惜しくもカップの横で止まった。藤井選手の劇的なチップイン、初タイトルの瞬間となった。

 

◆成績 入賞◆ 敬称略

優勝 藤井広文(桑名CC) 146=69、77(38、39)
2位 木田正彦(名張CC) 146=72、74(36、38)
3位 服部鉄也(名四CC) 147=74、73(36、37)
3位 松村和彦(EGC伊勢大鷲) 147=72、75(38、37)
5位 後藤繁生(明智GC)  148=76、72(37、35)
5位 杉山尚史(岐阜関CC) 148=76、72(33、39)

 

この日の結果、日本シニアゴルフ選手権競技(10月30日〜11月1日に兵庫県・鳴尾ゴルフ倶楽部で開催)への出場権は、通算150ストロークまでの14人が獲得した。このうち、日本シニア初出場組は7人。最も後ろから追い上げたのは大橋健一選手(富士C可児C)で初日57位タイからのジャンプアップだった。また、初日首位だった福島選手はパッティングの不調もあり通算151で1打足らず、初日イーブンパーの加藤浩選手(岐阜稲口GC)も通算153と崩れ、出場権を逃した。
なお、CGAからの日本シニア出場権は、佐々木清士選手(グランディ浜名湖CC)、土岐明彦選手(富士C可児C)、林建治選手(朱鷺の台CC)、神谷茂選手(岡崎CC)の4人がすでにシードを持っている。

 

<インタビュー>

 

61歳の初タイトル。「最後にダラダラしたいゴルフができた」
優勝
藤井広文選手(桑名CC) 146=69、77(38、39)

中部の初タイトルは、シニア8年目にようやく、それも劇的なチップインという形でやってきた。初日に18ホール中17ホールをパーオンする本人初の素晴らしいゴルフを展開し、翌日の今日は「後半にダラダラしてしまうことがないように。優勝ではなく14人の中に入ろう」とスタートした。前半を通算1アンダーで首位で折り返したが、途中で前の組の木田選手に負けていると感じた(実際は2打差でリードしていたのだが)藤井選手は、「攻めなくては」と17番と18番をプレーした結果、どちらもボギーになった。「負けたと思った。そしたら、競技委員にプレーオフと言われ、そうなんだと」。プレーオフのチャンスを得て、藤井選手は「なんという素晴らしいタッチ」と自画自賛の1打を繰り出せたのだ。「狙ってないですよ。届かないと思ったし、とにかくパーで上がって、次のホールへ、と思ってました」。
シニアになって2位が3回、3位が1回。悔しい負け方を何度も味わっていたから、今回は最後まで気を緩めなかった。その上、タートルエースGCとの相性は良い。というのも、2009年の三重県オープンでローアマを獲った際、コースレコード68をマーク、それは今も破られていない。コースも見方をしてくれたのだろうか。掴み取ったこの優勝の勢いを持って、秋の日本シニアに向かう藤井選手。去年までの7年連続出場では全て決勝に進んでいる。

 

2位
木田正彦選手(名張CC) 146=72、74(36、38)

「次のホールに行きたかったなあ」プレーオフの後、木田選手は残念がった。この2日間、パッティングのタッチを合わせきれなかった。決勝は2バーディ4ボギー。プレーオフの1打もほんの少しカップを外した。シニア2年目の55歳、木田選手は20代の頃から日本アマチュア、日本ミッドアマチュア、50歳からは日本シニアオープンにも出場する全国区の選手だ。中部シニアは昨年に続き、2位に甘んじたが、秋の日本シニアでは実力発揮で頂点を目指す。

 

3位
服部鉄也選手(名四CC) 147=74、73(36、37)


首位と5打差の9位タイでスタートした決勝。前半を2バーディ2ボギーのイーブンで回り、通算2オーバー4位タイで後半へ。2ボギーを打ったが最終18番のバーディで華を添えた。「2日間ともショットはまあまあでした。もともとパッテォングは苦手で3パットが前半後半で2つずつでした。肘を痛めていて、痛み止めを飲んでゴルフしてますが、秋までに治したい」。昨年に続く2度目の日本シニアとなる。56歳

 

日本シニアに初出場となるのは7人


 

松村和彦選手(EGC伊勢大鷲) 147=72、75(38、37) 3位

2位タイで最終組となった決勝ラウンドでは、バーディチャンスを逃す惜しいパッティングでスコアを伸ばすことができなかったが、堂々の3位入賞を果たした。「10年くらい競技から離れていましたが、シニアになって再開しようと、初めて予選に出ました。久しぶりにいろんな方に会えてよかった。日本シニアのある鳴尾GCは実家から5分くらいで行けますが、一度もラウンドしたことはないので、とても楽しみにしています」。56歳

 

後藤繁生選手(明智GC) 148=76、72(37、35)  5位

「昨日は最後の9番でOBしてスコアを落としたので、今日は距離を落として、フェアウェイの真ん中をキープできるように意識しました」と2バーディ2ボギーの決勝ラウンドを振り返った。シニアルーキーの55歳。(写真左が後藤選手、右は試合観戦に会場を訪れた川瀬順次プロ)

 

杉山尚史選手(岐阜関CC) 148=76、72(33、39) 5位 

初出場で初日本を決めたルーキー55歳。「昨日はパットが入らなかったので、今日は強めにいきました。前半で4バーディ1ボギーの33が出せてよかった。湖畔は難しく、3パットを何度もしてしまったけど、いいラウンドでした」。

 

柴谷敏文選手(各務原CC) 149=74、75(37、38) 7位

初めて中部シニアの予選に出て本戦出場、日本行きを決めた。「ここはグリーンが大きくて難しかった。今日はバーディなしの3ボギーでした」と振り返った柴谷選手は57歳、元航空自衛官でF15のパイロット。定年で仕事が地上(?)になってゴルフの競技に出られるようになったのだとか。「ゴルフは大好きなので、競技もいろいろ楽しみたいです」。

 

大橋健一選手(富士C可児C) 150=78、72(34、38) 10位

初日57位タイから大ジャンプアップで、日本シニア初出場を決めた。「昨日が悪かったので、今日は目標を150でスタートしました。最後の9番でピンの上2メートルからの下りラインが残って、入ったら149になると思ったけど、3パットのリスクもあるので安全に距離を合わせて2パットのパーにした。我慢しました無理に打たないのは、インタークラブの教えです(笑)」。58歳。

 

大野佳隆選手(岐阜本巣CC)  150=76、74(38、36) 10位

「今日はピンが難しかったけど、耐えることができました。6月に日本アマチュアゴルファーズ(パブリック)で3位に入れたことが少し自信になったのかなと思います」。シニアルーキーの54歳。

 

近藤歳宗選手(ローモンドCC) 150=75、75(38、37) 10位

代表枠14人目で見事に出場権獲得の近藤選手。「我慢の連続でした。精一杯やって、枠に入れて嬉しい」。55歳。

 

7位  伊藤晴夫選手(知多CC)  149=74、75(38、37)

「距離的にも対応できたし、コースとの相性が良かったのかも。病み上がりの割にはいいゴルフができました」。63歳。

 

7位  大山碩済選手(ライオンズGC) 149=72、77(39、38)

初日2位で最終組の一つ前を回った大山選手は、6番で、バーディチャンスから4パットのダブルボギーにしてしまうなどで波に乗れず、7位タイ。「14人の中に入るのが目標だったので、果たせて良かった」。57歳

 

10位  牧野公洋選手(ザ・トラディションGC) 150=77、73(36、37)

「ホームコースで出場権を取った去年でしたが、今年はここで取れたことが嬉しい。日本シニアでは去年は予選カットだったので 今回は最終日までプレーしたい」。57歳

 

10位  藤浩一選手(日本ラインGC) 150=76、74(36、38)

「去年は1打足らずで日本を逃したんです。今年は悔いのないように最後まで納豆するゴルフだけを考えました。一つ一つ丁寧にできたこと、それから、先日の岐阜県クラブ対抗で優勝できたのもいい流れになりました」。56歳

 

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