中部ミッドシニア本戦 2R成績表、記事、フォトギャラリー

2018.09.07

平成30年度(第25回)中部ミッドシニアゴルフ選手権競技

開催日/平成30年9月6日(木)・7日(金)

会場/グレイスヒルズカントリー倶楽部
天候/第1日:曇り 第2日:曇り

第2日成績表(PDF)

鈴木博選手(葵CC)が通算2アンダーで逆転、

2位に3打差のルーキー優勝に輝く。

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batch_DSC09919中部ミッドシニアゴルフ選手権競技は決勝ラウンドを終了した。昨夜からの雨は、朝のうちは残っていたが最終組がスタートする頃には上がり、曇り空で時折、日差しも溢れる中でのプレーは選手たちにとってもありがたい限りだった。今日のグリーンコンディションはコンパクション20、スティンプ9.00であったが、雨を予想したピンポジションはかなり難度の高い設定となった。

最終組は、初日5アンダーをマークした小島朋広選手(名倉CC)と、2打差3アンダーの鈴木博選手(葵CC)、1アンダーの中村幸造選手(フクイCC)の3人。アウトコースの出だしは、皆ステディなゴルフを展開した。パーオンしパーセーブ、グリーンを外しても絶妙のアプローチでパーセーブと、安定感があった。スコアが動いたのは、3番H(166Y、パー3)。3人ともにオンしたが、一番距離のあった小島選手がファーストパットをショートし、それを外し3パットのボギーで通算4アンダーに。鈴木選手と1打差になった。小島選手が長めのパーパットをしぶとくセーブしていくのに対し、鈴木選手と中村選手は危なげないゴルフを展開していた。そして、8番H(383Y、パー4)でグリーン左にこぼした小島選手のアプローチはピンを6メートルほどオーバー、それを返せずボギーとすると、ついに鈴木選手と通算3アンダーで並び、そのまま前半を折り返した。実に鈴木、中村両選手はオールパーで前半を終えたのだった。

batch_DSC00045この時点で首位は3アンダーの小島、鈴木選手、3位に1アンダーの中村選手と、アンダーパーは最終組のみで、優勝の行方はかなり絞られ始めた。後半に入ると、首位で並ぶ小島選手と鈴木選手が動き出す。10番H(362Y、パー4)で小島選手がボギーとすると11番H(345Y、パー4)で鈴木選手がバーディを奪い、鈴木選手が2打リードする。ところが続く12番H(160Y、パー3)で鈴木選手ボギー、13番H(486Y、パー5)で小島選手がバーディとし、通算3アンダーで再び並んだ。14番H(376Y、パー4)、16番H(519Y、パー5)ではともにボギーを叩き、通算1アンダーとスコアを落とすも並んだまま。残るは2ホールでプレーオフもありかと思われた。

しかし、勝負は意外な形で決まった。17番H(163Y、パー3)で小島選手はグリーンオーバーから寄せきれずボギー、一方、鈴木選手は手前から10メートルを80cmオーバーしたがきっちり沈めパーとした。1打差で迎えた最終18番H(375Y、パー4)。小島選手は第2打を「距離を間違えて」しまい、手前のバンカーへ。鈴木選手は第2打を右にプッシュアウトしバンカー方向にいったものの運良くレーキに当たって跳ねグリーンにオンしたのだ。「真面目に練習を続けてきたから最後に神様が助けてくれた」と試合後に語った鈴木選手。そして、その5メートルのパットを見事に沈めてバーディ。初優勝を祝福する拍手がグリーンを見つめていたギャラリーから送られた。

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◆成績

優勝 鈴木博(葵CC)   142=69、73(36、37)
2位 小島朋広(名倉CC) 145=67、78(38、40)
3位 中村幸造(フクイCC)147=71、76(36、40)
4位 千葉純一(スリーレイクスCC) 148=74、74(36、38)
4位 松本英司(加茂GC) 148=72、76(38、38)
4位 志水重哉(笹戸CC) 148=72、76(38、38)

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◆今日の結果、通算152ストロークまでの13人に、11月1日(木)2日(金)に熊本県の熊本空港カントリークラブで開催される日本ミッドシニアゴルフ選手権競技への出場権が与えられた。13人のうち、70歳以上のグランドシニア世代は、安達幸雄選手(六石GC、70歳、8位)と青山八朗選手(三鈴CC、75歳、13位)の2人。安達選手は、初日37位タイからの大浮上だった。また、ルーキーで出場権を手にしたのは3人、優勝の鈴木選手、3位の中村選手、4位の千葉選手だった。

日本ミッドシニアへの出場権獲得者
鈴木博(葵CC)、小島朋広(名倉CC)、中村幸造(フクイCC)、千葉純一(スリーレイクスCC)、松本英司(加茂GC)、志水重哉(笹戸CC)、内藤良司(春日井CC)、安達幸雄(六石GC)、西口則雄(鈴鹿CC)、川野政幸(日本ラインGC)、坂田三四夫(笹戸CC)、辻幸博(CRC三重白山)、青山八朗(三鈴CC)

廣瀬1<インタビュー>

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優勝
「こんなに早く勝てるとは!!」
63歳から念願のゴルフ漬けで、ルーキーV達成
鈴木博選手(葵CC)  142=69、73(36、37)

batch_th_DSC_1015 「小島さんとは過去3回ほどご一緒して、ゴルフに対する姿勢、性格など素晴らしくて尊敬している、目標にしている方なので、今日はとにかくついて行こう、そしたらなんとかなるかなあ。でも、まさか勝てるとは思ってませんでした」と鈴木選手は手にした勝利を信じられない様子。前半を全てパーセーブしたこともあまり覚えていないようで、「後半の12番のショートで2メートルのパットが入らず、ボギーにしたのは良く覚えている」とインになってからの競り合いの記憶をたどってくれた。小島選手と並んで17番ショートを迎えた時は「思ったよりアゲンストで手前だった。それまでずっとショートしてたので、オーバーするくらい打とうと思って80センチオーバーでした」。その後、18番Hの第2打でレーキに当たってグリーンオンするラッキーに恵まれた。「あの時は、日頃練習してきているから神様が味方してくれたなと思いましたね」。
日頃の練習、それは63歳でデンソーを退職し、ゴルフに浸かると決めた鈴木選手ならではの内容だった。朝4時半起床、5時40分から8時20分まで自宅に近い安城・桜井ロングゴルフで150球ほどを練習、モーニングを食べ、アプローチ練習を1時間、その後、ジムへ行き1時間のトレーニング、そして昼食後に家に戻り昼寝、15時過ぎにはまた練習場に戻って練習、家で夕食、就寝は21時ごろ。「日課ですよ、ジムは今年になって始めました。飛距離を伸ばすには筋力だと思ってね(笑)」。35歳の時、アメリカ出張で3ヶ月滞在した際にゴルフを覚え、それからはサラリーマンの常で「せいぜい年に20回くらい」のラウンドにとどまっていた。新城C Cから葵C Cに移ったのが7年前。そして60歳になってようやく対外試合に参加するようになった。「もっとゴルフに時間をかけたい」と63歳で退職後に生活の中心がゴルフになった。
デンソー時代は工機部でモノづくりが専門だった。ゴルフとの共通点は、と聞くと「コツコツ、かなあ。一気には上手くなれないからね、どっちも」と鈴木選手。「こんなに早く勝てるとは思ってもいなかった。日本ミッドシニアは熊本ですね、楽しみにしています!!」。

2位
「上がりホールで落としたのはダメだったなあ」
小島朋広選手(名倉CC) 145=67、78(38、40)

batch_th_DSC_2231初日のようなバーディラッシュは見られなかった。前半からバーディチャンスにつけるもパッティングのタッチが今ひとつあっていなかったようだった。「上がりがボギーボギーで、締めが悪かったね。悔しいのは18番、距離を間違えて、ショートした。今日は普段の小島が出た、昨日は特別、神は2日目はいなかったなあ」。
サラリーマンゴルファーの先輩として、優勝した鈴木選手をはじめ、多くの選手に慕われている小島選手は69歳。2年前に自分の手術でオペ室に入った時、突然付き添いの奥様が倒れ急逝するという悲劇。以来、ゴルフをする気力も無くなったが、周りの励ましに押されるようにゴルフを再開、直後の中部ミッドシニアで優勝を遂げた。今回、連覇は逃したが、いよいよ来年はグランドシニアへも参戦する。その前に、ぜひ日本ミッドシニアで活躍を!!

3位
カート道路で跳ねたボールがOBの不運。
中村幸造選手(フクイCC)147=71、76(36、40)

batch_th_DSC_133165歳、ルーキー出場。1アンダーでスタートした中村選手は、前半からバーディチャンスに決めきれなかったものの安定したプレーを展開していた。アウトの9ホール、インの13番Hまでパーセーブを続けた。そして14番H(376Y、パー4)、中村選手は1メートル強のバーディパットを外してしまった。この時、首位の鈴木、小嶋選手はともにボギーで通算2アンダーとしたため、首位に並ぶ絶好のチャンスだったが惜しかった。そして迎えた15番H(390Y、パー4)で、中村選手は「パーを確実にと左を狙った」と第1打を放った。狙い通りに飛んだボールだったが、カート道路に落ち、跳ねた先が運悪くOBだったのだ。結局ここでトリプルボギーを叩いてしまい、通算2オーバーとしたところで優勝戦線から脱落した。試合後、「予定通り打てたんだけど、運がなかったね」と振り返りながら、北陸への帰路についた。
今回の最終組は全員サラリーマンゴルファーだった。中村選手も63歳で会社を辞めたのは「ゴルフの時間をもっと増やしたいから」で、スイング改造にじっくり取り組んでいる。プリファードライが採用された今回も2日間とも「ボールはあるがまま」を実践。「特に動かす必要はなかったからね」と中村選手。堅実そのもののお人柄だと感じた。

4位
「後半、堪えました」
千葉純一選手(スリーレイクスCC) 148=74、74(36、38)

batch_DSC04442s-crop前半を36のイーブンで折り返した千葉選手は、後半の11、12、15番Hでボギーを先行させるも17番Hでバーディを奪い38、通算4オーバーでフィニッシュした。「後半、こらえてきたよ。良かった。日本は当確だよね」とホールアウト後、笑顔でアテスト会場へ。シニア時代から活躍している千葉選手だが、昨年は痛めていた膝の手術をした。65歳、ミッドシニアに初参戦し、見事に日本の出場権を獲得した。「まだ小僧ですから(笑)、これから頑張ります」。

7位
グランド世代で堂々の出場権
安達幸雄選手(六石GC) 150=77、73(38、35)

batch_DSC04443-crop初日に77で、37位タイからスタートした安達選手は、2バーディ3ボギー73をマークして、一気に7位に浮上。70歳にして、5年ぶり2度目の日本ミッドシニアへの出場権を手にした。「12番Hで第1打を右に外したんだけど、土手にあたってキックしてグリーンに乗った。で、7、8メートルの下りフックのパットが入っちゃったんですよ。それでイーブンになった。運が味方してくれないとこんなスコアは出ませんよ。熊本は出身地なので、母の墓参りしてきます」。
六石GCではインタークラブの監督を務める安達選手。「来週は中部グランドシニア(呉羽C Cで開催)で、その次の週がインターの予選(鈴鹿C Cで開催)です。去年落ちてるから今年はみんなの力を集めて決勝に行きたい」と忙しさもなんのその、元気いっぱいだ。同じく、元気なグランド世代で出場権を獲得した選手はもう一人、青山八朗選手(三鈴C C)がいる。写真は、右が安達選手。左は11位で出場権を手にした辻幸博選手(CRC三重白山)

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