中部女子アマチュア 3R成績表 記事 掲載
2019.05.24
2019年度(第49回)中部女子アマチュアゴルフ選手権競技
開催日/2019年5月22日(水)~5月24日(金)
会 場/岐阜カンツリー倶楽部
6404ヤード、Par72
参加人数/95名
天候/快晴
令和初、中部の女王は通算3アンダー、高校2年の長谷川せら選手(グリーンヒル関GC)。
中2以来、3年ぶり2度目の勝利。
221ストロークまでの上位11人に日本女子アマ出場権。
今日も朝から雲ひとつない快晴、気温もぐんぐん上昇して30度超え、真夏日を記録した。岐阜カンツリー倶楽部は3日間ともにスティンプ12フィートをキープ、グリーンは固めに仕上がっており、「ラフからのショットは止まらない」と選手たち。フェアウェイもまさにグリーン一色で、目にも美しいコンディションの中、最終日は順調に進められた。
通算2アンダーの田中佑季選手(CRC白山ヴィレッジ・大手前大4年)の首位を追いかけ、1打差で4人、3打差に5人が並び、大混戦が予想された最終日。最終組は、田中選手と通算1アンダーの別所あにか選手(津CC・メリノール学院高1年)、長谷川せら選手(グリーンヒル関GC・各務原高2年)、円角有希選手(金沢CC・中部学院大3年)。その前の組は通算1アンダーの神谷そら選手(明世CC・麗澤瑞浪高1年)と、通算1オーバーの3人、與語優奈選手(瑞浪高原GC・長久手中3年)、幸田彩里選手(中部ジュニア・西陵高2年)、神谷もも選手(明世CC・土岐津中2年)だった。
スコアは1番(359yd、パー4)から動き始める。長谷川選手がピンの右5メートルからのバーディパットを決めて、通算2アンダーとすると、2番(379yd、パー4)では円角選手と別所選手がバーディを奪い、最終組は全員2アンダーに並んだ。神谷選手は1番でボギーをたたいたが、3番(501yd、パー5)のロングホールで2オンしイーグルを奪うと、この時点で通算2アンダーが5人となったのだ。集中力を高めて、ナイスショットを繰り出す選手たちだけに、今日は伸ばし合いになるのかと思わせた。
前半に飛び出したのは、長谷川選手と神谷選手だった。長谷川選手はパッティングが冴えて、5バーディ、1ボギーで通算5アンダー、一方、神谷選手は抜群の飛距離を武器に1イーグル、3バーディ、2ボギーで通算4アンダーとした。CGA強化指定選手とナショナルチームという、ともに力のある2人が首位と2位で折り返したことで、後半はこの2人の一騎打ちか、と注目が集まった。
後半、長谷川選手も神谷選手もともに10番(524yd、パー5)をボギーとしてスコアを落としたが、12番(167yd、パー3)をバーディで元に戻し、マッチプレー状態は続いた。しかし、さらにホールが進むにつれ、様相は変化した。インコースは距離があったりレイアウトの妙でスコアメイクが難しいため、ドラマは起こりやすい。とりわけ、左ドッグレッグの15番(423yd、パー4)は難関で、長いミドルホールとなっている。ここで、神谷選手が第2打を左にOBし、痛恨のダブルボギーで一気に通算1アンダーに落ちたのだ。最終組の長谷川選手はもこの15番をボギーとし、通算4アンダーとした。こうなると、後続の選手たちにもチャンスが生まれてくる。1ホール終わるごとに順位も変わるような状況で、今度は、日本女子アマ出場権11人枠もカットラインも、もう一つの注目となった。
通算4アンダーで最終ホールを迎えた長谷川選手。2位はすでにホールアウトした幸田選手の通算2アンダー、続いて、同組の円角選手が通算1アンダーだった。第1打をフェアウェイに置いた長谷川選手の第2打はなんとグリーン手前のバンカーへ。円角選手の第2打はグリーン奥のエッジへ。そして、長谷川選手のバンカーアウトはピンを5メートルオーバーしたのに対し、円角選手のアプローチはカップに吸い込まれ、通算2アンダーフィニッシュ。そして、長谷川選手のパーパットがショートすると、グリーンサイドのギャラリーたちもざわつき始めた。ボギーパットが外れれば、3人のプレーオフになるからだ。だが、そこは落ち着いて、しっかりとパットを決めた長谷川選手。終わってみれば、わずか1打差の勝利だった。「私、勝ったの?」と半信半疑の長谷川選手に仲間たちがウォーターシャワーで祝福。中学2年生で中部女子アマを制してから3年目、2度目の中部の女王に輝いた。
◆入賞 (敬称略)
優勝 長谷川せら(グリーンヒル関GC・各務原高2年) 213=70、73、70
2位 幸田彩里(中部ジュニア・西陵高2年) 214=74、71、69
2位 円角有希(金沢CC・中部学院大3年) 214=73、70、71
4位 別所あにか(津CC・メリノール学院高1年) 216=69、74、73
4位 神谷そら(明世CC・麗澤瑞浪高1年) 216=75、68、73
今日の結果、221ストロークまでの上位11人に6月に開催される日本女子アマチュアゴルフ選手権競技への出場権が与えられた。ナショナルチームメンバーの神谷そら選手はシード。また、タイが生じたため、マッチングスコアカードにより決定された。
神谷選手を含む12人のうち、中学生は3人、高校生は5人、大学生は3人。
<インタビュー>
優勝
「勝とうと思って勝てた、が一番嬉しい」
長谷川せら選手(グリーンヒル関GC・各務原高2年) 213=70、73、70(32、38)
「3日間のゴルフは70点」と点数をつけた長谷川選手。3年前の片山津GC(白山コース)で開催された中部女子アマで、中学2年の最年少優勝を記録して以来、2度目の栄冠を手にした。
1番(359yd、パー4)で右5メートルからのバーディパットを決めると、3番、4番、6番、7番とバーディ奪取。5番(372yd、パー4)で3パットのボギーとしたが前半32で、通算5アンダーと首位で折り返した。後半は1バーディ、3ボギーと伸ばせなかったものの、2位と1打差で勝利。「ずっと負けてると思ってた。18番(360yd、パー4)はバーディじゃないと勝てないと思って、第2打はしっかり打ったんです。バンカーに入れて、結局ボギーにして、優勝と聞いてびっくりした」。中部女子アマ優勝、日本ジュニア優勝とトントン拍子で上り詰めていくかと思いきや、昨年はパッティングの不調から成績を出せなかった。「今年になって、パターのグリップを変えました。太いのから細いのにして、握り方に合うようにつけてもらった」と長谷川選手。今年に入り、岐阜県ジュニアで優勝、そして、この中部女子アマ。「CGAの合宿で岩本JGAコーチ(LPGAプロ)から言われたことがいい結果に繋がってます」。それは、「自分のプレーをしなさい。決めたところに打ちなさい」で、「外したらどうしよう、がなくなってパッティングが楽になった。課題はアプローチ。もっと練習しなきゃ。日本女子アマも一度も予選を通過していない。今年こそ、通らないと」と優勝よりも、もっと先の自分を見ている。4度目の日本女子アマで、ぜひ実力を発揮して欲しい。
2位
幸田彩里選手(中部ジュニア・西陵高2年) 214=74、71、69(35、34)
3バーディ、ノーボギーで最終日を終えた。「今日は、前半はショットで、後半はアプローチとパターで耐えました。この3日間は、もったいないホールがいくつもあったので、まだまだ修正できるかなと思います」。日本女子アマは、昨年に続き2度目の挑戦となる。まずは予選突破、そして、さらに上位を目指す。
2位
円角有希選手(金沢CC・中部学院大3年) 214=73、70、71(36、35)
最終組で、スコアを伸ばす長谷川選手を見ながらも、地道なゴルフを続けた。「前半は伸ばしたかったけどできず。後半はたえのゴルフでした。今日の一番は、17番(351yd、パー4)です。第1打が右へ行き、葉っぱの上で出すだけ、70ヤードの第3打がピンの上4メートルへ。そのパーパットが入ってくれました。ホッとしました。最後の18番(360yd、パー4)のバーディは12メートルくらいのアプローチでした。目の前の1打のことだけ考えてプレーしたのが良かった」と、初の日本女子アマ出場を喜んだ。北陸でジュニアの頃から”円角3姉妹”と呼ばれてきた。その真ん中の有希選手は、150センチと小柄ながらパワフル。中部学院大ゴルフ部のエースだ。
4位
別所あにか選手(津CC・メリノール学院高1年) 216=69、74、73(38、35)
「前半はパーオン率が良かったけどパットが決まらず、後半は乗らなくなってアプローチで耐えた。スコアがまとまって良かったです」。
4位
神谷そら選手(明世CC・麗澤瑞浪高1年) 216=75、68、73(33、40)
6位
市村杏選手(名阪チサンCC・佐久長聖高1年) 217=76、73、68(33、35)
最終日のベストスコアとなる68をマークし、16位タイから浮上、日本女子アマの出場権を獲得した。前半を4バーディ、1ボギー、後半を4バーディ、1ボギー、1ダブルボギーの内容。「13番(399yd、パー4)で13ヤードをチップインして『よっしゃー、66のベスト出せるかも』って思っちゃったんです。そしたら、次の14番で右にOBしてボギー、15番もバンカーの目玉につかまってダブルボギーしました」と市村選手。68は、ベストタイのスコアだった。今回、初めて中部女子アマに参戦したが、昨年は関東女子アマから日本女子アマに出場、予選通過している。余談だが、実は昨日、競技後に、ハウスの階段から落ちて怪我。整形外科で診察してもらい、骨折なしということで最終日をプレーしたのだ。「私、よく階段から落ちるんです(笑)」と言うが、これぞ、まさに、怪我の功名?!?
7位
與語優奈選手(瑞浪高原GC・長久手中3年) 218=71、74、73(38、35)
8位
下田沙幸選手(瑞浪高原GC・楠中2年) 219=73、72、74(36、38)
9位
神谷もも選手(明世CC・土岐津中2年) 220=73、72、75(37、38)
9位
田中佑季選手(CRC白山ヴィレッジ・大手前大4年) 220=71、71、78(39、39)
「優勝を意識しないように、自分のプレーに徹すること、って決めてスタートしたけど、周りがパターがうますぎて、だんだんと調子が崩れてしまった。15番(423yd、パー4)でダブルボギーを叩いた時は、落ちたと思った。18番(360yd、パー4)で30ヤードのアプローチがよってパーが取れて、(出場枠に)滑り込んだ。諦めなくて良かった」。
11位
古川莉月愛選手(岐阜稲口GC) 221=72、76、73(39、34)
「ギリギリ通りました。今日は前半の8番(532yd、パー5)で8打も叩いて、どうなるかと思ってけど、後半に2バーディ取れました」。ディフェンディングチャンピオンとして面目躍如となった。
11位
岡田梨沙選手(中部学連・中京大1年) 221=74、73、74(37、37)
★話題★
40代選手、大健闘
平均年齢18.6歳というジュニアと学生が中心の今大会で、いわゆるミッド世代は7人。そのうち、40代の選手は5人だった。3日目は皆、「疲れた〜〜」とホールアウトしたが、真夏のような天候にもめげず健闘。戦い終えて晴れやか、といった様子だった。5人はいずれも、中部女子ゴルフ研修競技会のメンバー。写真は、左から、久保由加子(愛知CC)、鈴木智子(岐阜関CC)、中山光代(中仙道GC)、栗原悦子(EGC伊勢大鷲)、寺尾亮有子(日本ラインGC)の各選手。
CGA強化指定・正選手3人が揃って入賞、日本女子アマチュアへ
今年度のCGA強化指定選手のうち、正選手に選ばれている3人、長谷川せら、別所あにか、幸田彩里は、毎日、お揃いのウエアでラウンド。最終日は、「タイガー・ウッズと同じにしよう❤️」と赤のポロに黒のパンツに決めた。そして、揃って入賞、次は、日本女子アマチュアでの”タイガーチャージ”へ挑む。
今日のピンポジションは、「アウトは耐えて、インは攻めて」
内田淳二競技委員長が最終日のピンポジションについて語った。「最終日らしく、ピンポジションは難しいと思います。イメージとしては、アウトは辛抱して、インはどんどん攻めて、ですね。特に上がりの16番から18番は、花道から攻められるようにしたので、バーディがいくつ取れるかが勝負になると予想しました」。