中部女子アマチュア・3R成績表・記事
2018.05.25
平成30年度(第48回)中部女子アマチュアゴルフ選手権競技
開催日/平成30年5月23日(水)・24日(木)・25日(金)
会場/愛知カンツリー倶楽部 東山コース
参加人数/105名(内欠場5名)
距離/6412ヤード、PAR74
天候/第1日:雨、第2日:晴、第3日:晴
【第3日】 成績表(PDF)
高3対決は、最終18番Hで劇的決着。
古川莉月愛選手(岐阜稲口)がバーディ奪取で初の栄冠
中部女子アマチュアゴルフ選手権競技の決勝ラウンドが終了し、今年度の女王が決定した。
朝から日差しが注ぐ暑い日となった決勝ラウンド。通算4アンダーで並ぶ高校3年生、古川莉月愛選手(岐阜稲口GC・岐阜聖徳高3年)と中川成美選手(芦原GC・福井工大福井高3年)を追いかけ、通算イーブンパーの吉桑晴美選手(ToshinさくらHills)、1オーバーの神谷そら選手(明世CC・土岐津中3年)、2オーバーの兼松亜衣選手(明智GC・誉高3年)と長谷川せら選手(グリーンヒル関GC・各務原高1年)が続く。さらに3オーバーグループ2人、4オーバーグループは7人と、いずれも上位10人の日本女子アマ出場権を目指し、最後の18ホールの戦いが始まった。
グリーンコンディションはコンパクション25.0、スティンプ11.0。ピンのセッティングも3日間のうちで最もタフに設定された。
★競技概況★
前半、2番H(364Y、パー4)で古川選手が3パットのボギー。3番H(503Y、パー5)で中川選手が2.5メートルを沈めバーディを奪い、早々に2打差がついた。パーパットをしっかりと沈めていく中川選手に安定感があり、試合はそのまま進むかと思われたが、8番H(38Y、パー4)で中川選手のティーショットは木に当たってしまい距離を出すことができず、第2打はグリーン手前に、アプローチも寄せきれずボギーとする。一方、古川選手は左の深いラフからの第2打をグリーンオンさせ、転がった球はピン横20センチにピタリとついてバーディとし、2人はまた通算4アンダーで並んだのだ。前半を終えて、追いかける選手たちもビッグスコアとはならず、勝負は古川、中川の両選手の一騎打ち状態となった。
後半に入ると、10番H(483Y、パー5)で中川選手がバーディでリード、12番H(355Y、パー4)で古川選手がボギーとして、またも中川選手が2打差をつけた。ところが、15番H(342Y、パー4)で、中川選手は3番ウッドでティーショット、「平らな所に置くつもりだったけど、左足下がりのフェアウェイに止まっていた」と作戦失敗。第2打をグリーンに乗せられず、結局ボギー。続く16番H(151Y、パー3)はグリーン奥からのアプローチがピンをオーバーし、ボギーとしてしまい、またもや2人は通算3アンダーで並び、勝負の行方はわからなくなった。
そして、ついに最終ホール(516Y、パー5)。ともにフェアウェイからの第3打で、中川選手はピン左4メートル。古川選手はピン右6メートルにつけた。先にパッティングした古川選手の球は、カップに近づきコロコロとゆっくり転がって、最後に軽くスライスし入ったのだ。後がない中川選手だったが、バーディパットは無情にもカップをすり抜け、その瞬間に古川選手の初優勝が決まった。
古川選手の笑顔の横で、涙が止まらない中川選手。福井工大福井高の仲間が全員で中川選手を囲み、励ましていたのが印象的だった。
今日の結果、227ストロークまでの10名に、日本女子アマチュアゴルフ選手権競技(6月19〜22日に埼玉県の嵐山カントリークラブで開催)への出場権が与えられた。
高校生・中学生が多くを占めた今大会で、見事に出場権を獲得した10人のうち、ミッド世代の40歳、2児の母である河北さやか選手が入った。4日間を安定してプレーした実力はさすがと脱帽モノである。また、初出場は今野選手と幸田選手。吉桑選手と芦沢選手は今年のプロテスト1次を合格した20代の選手。CGA強化指定選手(正選手)では長谷川選手と神谷選手が獲得した。
218 古川莉月愛(岐阜稲口GC・岐阜聖徳高3年)
219 中川成美(芦原GC・福井工大福井高3年)
223 長谷川せら(グリーンヒル関GC・各務原高1年)
223 吉桑晴美(TOSHINさくらHills)
225 今野真希(恵那峡GC・麗澤瑞浪高3年)
225 神谷そら(明世CC・土岐津中3年)
226 幸田彩里(富士OGM伊勢大鷲・西陵高2年)
226 芦沢衣里(愛知県連・愛大4年)
227 河北さやか(東海CC)
227 岡田梨沙(JGAジュニア・栄徳高3年)
★ホールインワン達成★
決勝ラウンドの16番H(151Y、パー3)で、木村綾杏選手(片山津GC)がホールインワンを達成した。
優勝
3日間を崩れず回り、新境地。
古川莉月愛選手(岐阜稲口GC・岐阜聖徳高3年) 218=72、72、74(37、37)
最終18番Hで劇的な勝利を手にした古川選手。決勝ラウンドは中川選手との一騎打ちが終始続いた。
共に通算4アンダーでスタートしてすぐの2番Hで3パットのボギーとすると、続く3番Hでティーショットを池に入れた。しかし左ラフからの90ヤードの第4打を52度でピン手前30センチにピタリと止め、ナイスパーセーブ。8番Hでは左の深いラフからPWで「転がりも計算してた」ショットを放ち、ピン横20センチとしバーディ。ここで、中川選手と再び並んで折り返した後半もボギー先行で1打後退したが、中川選手の連続ボギーでまた並んだのだ。18番Hでティーショットを放った2人は、歩き始めてすぐにハイタッチ。「あの時は、2人とも課題のティーショットがやっと終わったね、ってホッとしたから。でも、18番Hで、自分が並んでるのかどうかはわからなかった。バーディパットが入ったらプレーオフかなとも思った」と無心で打ったパットだったと古川選手。
「今日はショットが思うようにいかなかったし、パットも決まらなかった。3日間で初めて3パットもしちゃったし、自分の日じゃないなって思ってました。最後の18番Hのバーディパットはやっとうまく打てたと思ったんだけど、まさか入るとは思わなかった。すごく嬉しい」と手放しで喜んだ古川選手。2年前の岩手国体女子の部個人で優勝。去年は岐阜県ジュニアで優勝しているが、その頃からドライバーの調子が悪くなった。打ち方を大きく変えて、調整を続けてきたのが、この中部女子アマでスコアという形で現れた。「これまで、(中川)成美とは中部ジュニアでプレーオフで負けているので、勝てないかなと思っていた」。
幼い頃から憧れて追いかけてきた3歳上の姉(茉由夏)より早く、中部女王の冠を手にした古川選手。2ラウンド目の24日が父・幸宏さんのの48歳の誕生日。「ゴルフは父から教えてもらっている。いつも喧嘩しながらトレーニングしてます」と笑いながら話す莉月愛選手からの素敵なプレゼントになったはずだ。
2位
悔し涙も、完全復調の証
中川成美選手(芦原GC・福井工大福井高3年) 219=71、73、75(37、38)
18番Hの最後の4メートルのバーディバットが外れた瞬間に涙が溢れた。それまで、試合を優位に進めてきた中川選手だったが、15番H、16番Hの連続ボギーが悔やまれる。「その2ホールも、18番Hも全部カップにけられた。悔しい。全然自分らしくなかった」。悔し涙も不調だったドライバーが戻ってきて、いいプレーができるようになった証だ。日本女子アマで、この悔しさをぶつけて欲しいもの!!
今野真希選手(恵那峡GC・麗澤瑞浪高3年) 225=74、77、74(37、37) 5位タイ
2バーディ2ボギーでした。3日間ともアプローチが良かった。ショットは初日よかったけど、だんだん悪くなってきた。パットは徐々に良くなってきたけど、チャンスにつけられても生かせなかった、それが課題」。
幸田彩里選手(富士OGM伊勢大鷲・西陵高2年) 226=74、78、74(35、39) 7位タイ
3バーディ3ボギーでした。今日が一番ショットが良かった。もっと伸ばせたと思うのが残念。3日間通してパッティングはダメでした。これが課題だと思う」。
アマチュア最後の日本女子アマにしたい!!
吉桑晴美選手(TOSHINさくらHills) 223=75、73、75(39、36) 3位タイ
最終組でスタート、いいショットも出ていたが、バーディパットがなかなか決まらず、スコアを伸ばせなかった。「本当にパットが入りませんでした」。岐阜聖徳高を卒業後、プロテストは今年3回目の挑戦で1次合格。日本女子アマには2度目の出場。
芦沢衣里選手(愛知県連・愛大4年) 226=77、75、74(35、39) 7位タイ
「前半はパーオンしなくて、しのぐゴルフでした。で、パーオンした10メートルと5メートルのロングパットが入ってくれて2アンダー。後半は2オーバーでイーブンでした」。昨年はユニバーシアードに選ばれるなど、女子学生として日本代表も経験している芦沢選手。日本女子アマには2回目の挑戦となる。その前の週には、吉桑選手同様、プロテスト2次が控えている。
CGA強化指定選手(正選手)からは2人
長谷川せら選手(グリーンヒル関GC・各務原高1年) 223=77、73、73(38、35) 3位タイ
「今日は8番Hでダブルボギーしてしまい、伸ばしきれなかった」。今年は岐阜県女子アマで優勝している。2年前に日本ジュニア優勝の長谷川選手、3回目の日本女子アマで存分に力を発揮したい。
神谷そら選手(明世CC・土岐津中3年) 225=75、74、76(37、39) 5位タイ
「パッティングがうまくいかなかった。ラインが読みにくくて、バラバラだった」。今年は、春の全国中学生で優勝し、JG Aランキングも上がってくるはずの神谷選手。長谷川選手同様、3回目の日本女子アマで上位を狙う。
ミッド世代で堂々の出場権、ママは強い!!
河北さやか選手(東海CC) 227=74、78、75(37、38) 9位タイ
2バーディ3ボギーの決勝ラウンド。「3日間でショットが一番良かったのですが、逆にパッティングが一番入らなかった」と振り返った河北選手。ミッド世代は9人しか出場しなかった今大会で、あっさりと9位に入った。40歳で、中1と小3のママでもある河北選手は、県内の試合を選んで出場し、その度に優勝や入賞を手にしている。今回も「東山で近かったから」と出場したのだった。まだまだ子供たちの習い事の送り迎えで日々忙しくしているが、ゴルフは以前よりできる環境になったとか。「子供たちが学校に出た後に、ささっとラウンドしていますよ」。どんな時も安定したゴルフを展開できる秘訣はどこにあるのだろう。1打への集中力の高さは、家事に子育てに、毎日を超多忙に過ごしているからこそ備わったものなのかもしれない。
中3、高2に続いて3回目の出場権獲得
岡田梨沙選手(JGAジュニア・栄徳高3年) 227=79、73、75(36、39) 9位タイ
4バーディ3ボギー1ダブルボギーの内容だった。「ショットが良くなかった分、2日目よりもパットが入ってくれた。特に、長めのバーディパットが決まったので」と岡田選手。9位タイに入り2年連続、3回目の出場権で、「去年より飛距離が伸びて、ショットが安定してきたと思います。毎日のトレーニングの成果なので、これからも頑張って鍛えます。日本女子アマでは予選通過ができるようにしたい!!」。
福井工大福井高が集合。
悔しい思いの部員たち、試合が終了して、帰る前にパチリ!!
<競技&会場風景>・・・準備中