中部女子アマチュア第3日成績表、速報記事、会場フォト 掲載しました
2023.05.19
2023年度(第52回)中部女子アマチュアゴルフ選手権競技
2023年5月17日(水)~19日(金)
会場/緑ヶ丘カンツリークラブ
第3日成績表 PDF
第52回中部女子アマチュアゴルフ選手権競技
2023年5月17日(水)・18日(木)・19日(金)
会場/緑ヶ丘カンツリークラブ 6389yd、Par72
参加人数/110名(うち欠場4名)
天候/1R 晴れ、2R 晴れ、3R 雨
降り続く雨の最終日。
高校3年の小宮千鶴選手(明智GC・聖霊高3年)が
通算5アンダーで初の女王に輝く。
中部女子アマの最終日はあいにくの終日の雨となった。昨日、一昨日の暑さが嘘のように気温も低く、20度ほどで、午前は風も強く吹いた。前が霞むほどの土砂降りもあったが、グリーンに水が浮くことはなく、競技は最後まで続行された。肌寒ささえ感じる中、びしょ濡れになってのプレーは選手たちにとっても大変な1日だったが、目指すは優勝、そして、日本女子アマの出場権とあって、持てる力と精神力をいかに発揮できるかが勝負となった。
砲台グリーンのホールが多い緑ヶ丘CCは、セカンドの距離感が難しい。昨日までの、ピンを攻めるとグリーンオーバーしてしまうというコンパクションの硬さは少し和らいだようだが、グリーンスピードは雨の中でもしっかりと速さがキープされていた。
最終組は、予選ラウンド首位の通算6アンダー、入谷響選手(JGAジュニア・中京高3年)、2打差の通算4アンダー、小宮千鶴選手(明智GC・聖霊高3年)、通算2アンダーの清本美波選手(JGAジュニア・誉高3年)、通算1アンダーの與語優奈選手(瑞浪高原GC)の4人。スコアはスタートホールから動いた。1番(350ヤード、パー4)と2番(476ヤード、パー5)で與語選手が連続ボギーでスコアを落とす。他の3人はパーをセーブしていたが、入谷選手はボギーが先行した。今日の入谷選手はティーショットは安定していたが、グリーン回りでうまく寄せきれず、パッティングを外すボギーが4番(157ヤード、パー3)と5番(380ヤード、パー4)、さらに7番(167ヤード、パー3)と続き通算3アンダーに落としてしまった。一方、小宮選手は2メートルほどのパーパットをしぶとく入れながら、5番(380ヤード、パー4)でボギーの後の6番(494ヤード、パー5)でバウンスバック、通算4アンダーとした時点で入谷選手を捉えて並ぶと、続く7番、入谷選手のボギーで、ついに首位が入れ替わった。そして、しぶとくパーをセーブしていた清本選手は5番と9番(389ヤード、パー4)でともに5メートルほどのバーディパットを決め、同じく通算4アンダーで首位タイに。前半を終えたところで、アンダーパーは小宮、清本、入谷選手の3人だけとなり、優勝争いはこの3人にほぼ絞られた。
後半も雨は降り続いていた。入谷選手は後半も調子を取り戻すことができず、ボギーが続いてしまい、勝負は、小宮選手と清本選手の2人に。12番(376ヤード、パー4)で清本選手が痛恨のボギーで通算3アンダーに。14番(313ヤード、パー4)で小宮選手が4メートルのバーディパットを決めて通算5アンダーとし、その差は2打となった。しかし、清本選手も16番(522ヤード、パー5)で5メートルのバーディパットを沈め、1打差に迫ったのだ。そして、最終18番(500ヤード)、左ドッグレッグのパー5でしびれる展開が待っていた。小宮選手の第1打は左へ、前方に木がある状況で2打目は右のラフ、第3打は残り210ヤードをユーティリティーで打つも右のサブグリーンに乗った。一方、清本選手はフェアウェイからピン手前5メートルにナイスオン。バーディが取れれば、プレーオフに持ち込める絶好のチャンスを得た。小宮選手はサブグリーンの処置をして、しっかりと歩測をし、丁寧に放ったアプローチショットはピンを超えて1メートル先で止まった。そして、清本選手のバーデイパット。「上りのフックラインで、浅く強く、のつもりが浅いだけになってしまった」と振り返ったように、球は手前で切れて入らず。小宮選手がパーパットを沈め、今年の女王が決定した。
成績
優勝 小宮千鶴(明智GC) 211=72、68、71
2位 清本美波(JGAジュニア) 212=70、72、70
3位 伊佐治瑚乃(中仙道GC) 216=69、74、73
4位 入谷響(JGAジュニア) 217=70、68、79
5位 日比野邑香(岐阜国際CC) 221=71、73、77
5位 與語優奈(瑞浪高原GC) 221=69、74、78
なお、225ストロークまでの15人が日本女子アマチュアへの出場権を獲得した。タイが生じたため、マッチングスコアカード方式により決定した。今年の日本女子アマチュアゴルフ選手権競技は、6月13日(火)〜16日(金)に秋田県の秋田カントリー倶楽部(太平山・日本海コース)で開催される。
<選手インタビュー>
「自分のルーティンができたことがいちばん嬉しい」
優勝
小宮千鶴選手(明智GC) 211=72、68、71(36、35)
スタートから落ち着いてプレーを続けていたように見えた小宮選手だったが、本人としては「最後までドキドキしていました。でもそのくらいの緊張があるときのほうがうまくいっているのでよかったんです」といい状態だったことを教えてくれた。心配だったドライバーも最終18番以外はさして曲がらず、グリーンを外したホールでもしっかりと寄せてパーセーブしていた。
前半を1バーディ、1ボギーで、後半は1バーディを奪い、通算5アンダーで見事な逆転優勝を飾った小宮選手。「今日も含めてこの3日間、ショットもパットも打つ前に、あそこに打つと決めて、自分に言い聞かせてました。それを最後まで続けることができた。これまでは、他の人を気にしてできなかった自分のペースやルーティンができたこと、それがいちばん嬉しいし、収穫です」。それは、最終の18番でも表現していた。第1打を左に飛ばしてしまい、第3打はサブグリーンへ。そこからアプローチする際の歩測を慌てず、自分のペースで行って戻り、落ち着いてロブを上げた。ピンオーバーしたが、1メートルのパーパットもいつものルーティンで沈めたのだ。
目標は優勝だった。自分のペースで回れた3日間で小宮選手が得たものはとても大きい。穏やかな優しい話しぶりの小宮選手だが、実は芯の強い、自分のゴルフ感を持った選手なのだと思う。「応援してくれる人が増えてきて、期待に応えられて嬉しい」。小学1年からゴルフを覚え、愛知県ジュニア、中部ジュニアで優勝、日本女子アマは3度目の出場となる。プロテストにも挑む。今年度CGA強化指定選手。
「12番のボギーがもったいなかった」
2位
清本美波選手(JGAジュニア・誉高3年) 212=70、72、70(34、36)
最終18番で絶好のバーディチャンスを作ったが、惜しくもパットを外し、優勝を逃した清本選手。「雨なので、自分のペースをつくっていけたらいい」とスタートし、5メートルの難しいバーディパットも3メートルほどの微妙なパーパットも沈めてきた。「悔しいです」と試合後に語った清本選手がいちばん悔やんだのは、前半で首位に並んて迎えた12番(376ヤード、パー4)だった。「2段グリーンの上の段にピンがあって、手前に外したので、寄せワンを狙ったんだけど、段を上りきらずに落ちてきてしまった。それでボギーとしたのがもったいなかった」。最終のバーディトライは「5メートルの上りフックライン、浅く強く打とうと思ってましたが浅いだけになっちゃって入らなかった」そうだが、毎年緊張して結果を出せなかったという中部女子アマで最高位の2位になった。高校生の3年間を連続で日本女子アマ出場も達成した。さらに、今年はプロテストを受ける。今年度CGA強化指定選手。
「後半に気持ちを切り替えられたのがよかった」
3位
伊佐治瑚乃選手(中仙道GC・中部学院大4年) 216=69、74、73(39、34)
前半を1バーディ、2ボギー、1ダブルボギーの39、後半は3バーディ、1ボギーの34とした。「前半はショットが良くなかった。8番のダブルボギーは右の樹の下に行ってしまって出すだけでした。ただ、その後、切り替えがうまくできたので後半に繋がりました。他の人のショットを見て、グリーンが昨日までよりも止まるなと思ったので、キャリーで狙うようにしたのもよかったです」。今日の18ホールを丁寧に振り返った伊佐治選手が自分を褒めたホールは18番。第3打を得意な110ヤードにしたくて、第2打を考えて打ち、バーディ奪取のフィニッシュにしたことだ。日本女子アマは2度目の出場となる。「前回は予選落ちしてしまったので、今年は決勝で活躍したい。プロテストもあるので頑張ります!!」
<会場フォト>