[2011]中部女子シニア≪本戦/記事≫

2011.10.28

 第11回 中部女子シニアゴルフ選手権競技
cup top
開催日/平成23年10月28日(金)
会場/中京ゴルフ倶楽部
参加人数/129名
距離/5858ヤード Par72
天候/晴れ
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3年連続のプレーオフ、

大村選手が3度目にして感涙の初優勝


陽射したっぷり、風なし、秋晴れの一日。50歳以上のJGAハンディキャップ21.4までの女性ゴルファー129名が参加しました。舞台となった愛知県豊田市の中京ゴルフ倶楽部石野コースは、毎年春に中京ブリヂストンレディスゴルフトーナメントが開催されることでおなじみのコース。今回のグリーンコンディションは、コンパクション11、スピード9.5と、中部一の女子シニアを決めるにふさわしい状態に整えられました。

競技はインスタート1組目の阪本知子選手(レイク浜松)と、アウトスタート2組目の大村洋子選手(春日井)が相次いで76でホールアウト。はじめから「プレーオフかも」と周りに予感させた進行となりました。実際に、なかなか76を上回るスコアが現れず、残り5組となった時に、「インスタート14組の小野満智恵選手(さなげ)が6番Hを終了して3オーバー」という情報が飛び込んできました。にわかに騒がしくなった会場には、小野選手の経過が報告され、阪本選手や大村選手も動向をうかがいます。ところが、小野選手は、7番Hをボギーとして、この時点で、3人のプレーオフの可能性がひろがり、阪本・大村両選手はパッティンググリーンへ。一方、難度の高い8番Hを迎えた小野選手はここでもボギーをたたいてしまい、プレーオフは阪本・大村選手2名にほぼ決定されました。
最終組のスコアを確認した上で、プレーオフのスタート。1番Hで行われた1ホール目は阪本選手のティーショットから始まりました。ティーショットはともにフェアウエイをとらえ、第2打は阪本選手から。
ボールはピン奥のエッジ近くにとまり、朝からのびてきた芝が少し気になるライ、一方、大村選手はピン右手前7メートルほどにナイスオンしました。パッティング勝負となりましたが、阪本選手はバーディパットをショートして1.5メートル残し、周りからため息。続く大村選手にチャンスがめぐってきたものの、バーディパットはピン横をすり抜けて1メートルオーバーしてしまいました。またも、ため息。周りが息を殺して2人のパーパットを見守ります。最初に打った阪本選手のパットは無常にもはずれ、ボギーとした後、大村選手は落ち着いて球をカップに沈め、思わず両手を高く上げてガッツポーズ。3年連続のプレーオフを、ついに勝利へ、感涙の栄冠を手にしました。

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左から、4位大塚せつ子選手、2位阪本知子選手、1位大村洋子選手、3位小野満智恵選手、5位三浦けい子選手
悲願3年越し。「ゴルフをやめてもいいと思った」
大村洋子選手(春日井) 優勝 76=38、38

76でホールアウトし、早々とプレーオフかもと告げられていた大村選手は「今年もあったら、3年目。それまでは、プレーオフは負けなしだったけど、2年前に知子ちゃんに負けてから、去年は芦原で北原さんに負けて、勝つ気がしないですよ」と、早くもマイナス思考に入っていた。しかし、実際にプレーオフに突入したとき、大村選手は違っていた。「試合の時は、1番Hで第2打を7Wだったけど、プレーオフでは7番アイアンで、ちょこんと打てた。よく飛んでた。同じホールでもそれくらい違うんだからね。パターは、入れておかないと、(相手は)パーパットを入れてくると思ったから、思い切って打ったら、打ちすぎちゃってオーバーしちゃいました」。大村選手がどれだけ、此の勝ちを望んでいたか。周りがどれほど、勝ってほしいと祈っていたか。彼女の涙と祝福の声がそれを表していた。「プレーオフの前は、負けたらゴルフをやめようと思ってました。勝てた今は、ゴルフをやめてもいいと思うくらいです」。万年2位と酷評された時期もあった大村選手は、これから、新しいステージへ入っていくような気がした。

「パットを決められなかったのだから、しかたないですよ」
阪本知子選手(レイク浜松) 2位 76=37、39

「ここ数年で、設定が一番難しかった」と阪本選手が語ったように、ヤーデージ以上に感じる上りのミドルホールが多いコースレイアウトに加え、今回のコースコンディションはこのところの晴天続きもあり、グリーンの早さと堅さが選手たちを苦しめた。
阪本選手はインからのスタートで、2バーディを奪うも1ダブルボギー、OBによるトリプルボギーで、出入り激しく前半を3オーバーの39で折り返した。後半に入ってからは、1ボギーと落ち着いた内容として、4オーバーでのホールアウトだった。長い待ち時間の後のプレーオフ。大村選手とは2年前に岐阜関CCで開催された中部女子シニアで対決し勝利したが、今回は2位に甘んじることとなった。日本女子シニアで、毎年優勝争いを演じる実力ある阪本選手。勝つこともあれば、負けることもある。そんな勝負の世界を十二分に体験しているなあと感じさせる風格の持ち主。

小野満智恵選手(さなげ) 3位 78=39、39

後半の7番Hでラフからの2打目をうまく出せずにピン5メートルに4オン。そこに、競技委員が様子を見に来たという。「あれ、どうしてかな。何かあるのかな」。パーパットを決められず、ボギーとした。次の8番Hにいくときに、首位に並んでいると知ったのだとか。「それからは、なんか緊張しちゃいました」という小野選手だが、「もともと8番Hはパーがとれないホールなんで、仕方なかった。難しいホールですから。でも、最終の9番Hでもバンカーに第1打。3打目をピン手前につけて、あれを決められなかったのはダメですね。きっちり決めないと」。

大塚せつ子選手(岐阜) 4位 79=39、40

今年から女子シニア参加のルーキー、大塚選手。「アイアンがよかった。ピン筋にショットできたところが多かった。ホームの岐阜も早いんでグリーンはあってました。一緒に回った方が楽しくて、気楽に回れました」。

三浦けい子選手(レイク浜松) 5位 80=41、39

途中までドライバーが曲がっていましたが、後半になって戻ってきてパーがとれました。パターも悪かったけど、練習してきてなんとかあわれられたのもよかった。我慢のゴルフでした」。

最年長79歳の林サキ代選手(三重白山)(写真左)と、75歳の津賀和子選手(名四)