佐々部杯 2R成績表、速報記事、インタビュー、フォトを掲載しました

2024.11.28

2024年度(第45回)佐々部杯ゴルフ選手権競技

開催日/2024年11月27日(水)・28日(木)

会場/桑名カントリー倶楽部

 

第2日成績表(PDF)

 

 

第45回佐々部杯ゴルフ選手権競技
2024年11月27日(水)・28日(木)
会場/桑名カントリー倶楽部 7280yd、Par72
参加人数/138名(うち欠場7名)
天候/1R 曇りのち晴れ、2R 晴れ

 

 

強風の決勝日、

奥村礼惟選手(葵CC)が通算3オーバーで初優勝。


三重県の桑名カントリー倶楽部で開催された第45回佐々部杯ゴルフ選手権競技が終了した。84ストロークまでの83人が出場した決勝ラウンド、会場は朝から青空が広がったが、冷たい風が強く吹いた。グリーンコンディションは前日よりも速く、スティンプ12、コンパクション23に設定された。

 

初日73ストロークで並んだ2人、谷光治選手(ナガシマCC)奥村礼惟選手(葵CC)、そして1打差の有門晋作選手(岐阜セントフィールドCC)、2打差の岡田良介選手(名古屋グリーンCC)が最終組で午前9時にティーオフした。
とにかく風の強い1日だった。最終組は1番Hで首位の谷選手がボギースタート。続く2番Hでは谷選手が連続ボギー、有門選手と岡田選手がダブルボギー、さらに3番Hでは奥村選手もダブルボギーとし、全員がスコアを落とす波乱の展開となった。パーセーブが難しい状況には、距離のあるミドルホールが多く、アゲンストの風でパーオンできなかったり、硬く速いグリーンに球が止まりにくく、パッティングも短い距離でも侮れないなど、クラブチャンピオンたちを苦しめる要素は様々だった。
そんな中、奥村選手は5番Hでボギーを打つも7番Hパー5で2オン成功、5メートルのイーグルパットを惜しくも外したがバーディを奪い通算3オーバーで前半を終えた。

 

折り返し時点で、最終組の奥村選手が首位をキープ。続いたのが、最終組から2組前の藤本竜之進選手(平尾CC)で前半38、通算5オーバーだった。通算6オーバーの3位に、最終組一つ前の伊藤悠真選手(岐阜北CC)、さらに通算7オーバーの4位には3組前の三浦宗樹選手(豊田CC)、大橋信明選手(六石GC)、佐藤一幸選手(能登CC)、2組前の中学1年・高柳大河選手(ザ・トラディションGC)が続いていた。

 

後半も強い風の中、選手たちの戦いはホールを追うごとに明暗が分かれていく。首位の奥村選手はしぶとくパーセーブを続けた。2位の藤本選手は出だしの10番Hでバーディを奪い、首位と1打差に詰め寄ったが、12番Hでボギー、14番Hでダブルボギーを叩いてしまい後退した。奥村選手は15番Hショートでグリーン奥まで行った第2打のアプローチを寄せきれずボギーとして通算4オーバーになったが、17番Hロングでピン左6メートルからの上りのバーディパットをガツンとねじ込み、ガッツポーズ。この1打で優勝をほぼ確実にまで引き寄せた。最終18番Hは第1打をフェアウェイ中央へかっ飛ばし、快心の第2打がグリーン奥に溢れたものの見事に寄せてパーフィニッシュ。通算3オーバーは2位に3打差をつける快勝だった。昨年1打差の2位に終わったリベンジを果たした22歳・奥村選手の勝利で、今年度のCGA主催競技は全て終了した。

 

また、最終から3組前の三浦選手が後半を35でまとめ通算6オーバーで2位に、3位は吉田廉選手(花の木GC)、4位は初日77で14位タイだった60歳の後藤繁生選手(明智GC)が浮上したほか加島健選手(麗澤瑞浪GC)藤本選手の3人となった。入賞のうち上位5人にはCBCテレビより副賞が贈られた。

 

 

成績

優勝 奥村礼惟(葵CC)  147=73、74(38、36)
2位 三浦宗樹(豊田CC) 150=76、74(39、35)
3位 吉田廉(花の木GC) 154=75、79(40、39)
4位 後藤繁生(明智GC) 155=77、78(39、39)
4位 加島健(麗澤瑞浪GC)155=75、80(40、40)
4位 藤本竜之進(平尾CC)155=75、80(38、42)

松井智人クラウンズ事務局長から入賞5人に副賞が贈られた


<インタビュー>

 

優勝
奥村礼惟選手(葵CC)  147=73、74(38、36)

首位タイでスタートした決勝日、22歳の奥村選手はベストスコアタイの74をマークし、堂々の優勝を飾った。ポイントとなったのは6番H(380ヤード、パー4)だった。5番H(404ヤード、パー4)で手前からアプローチで寄せたパーパットを外し3オーバー(通算4オーバー)とした奥村選手は「取り返そう」とドライバーを振り抜いた。しかし、球は左に出て、さらに強風に乗って、左の林の一番下まで曲げてしまったのだ。残り120ヤード、7番アイアンで「サブグリーンさえ越えてくれたら」の気持ちで木と木の間を低く打つと、グリーン手前のラフまで届いた。ピンまで15ヤードのアプローチを50センチに寄せて、ナイスパーセーブとしたのだった。
折り返しの時、2打差で藤本選手がいることを知った奥村選手は、「後半はパープレーは必須だから、安全にパーセーブをしようと思って、バーディパットも無理せずに確実にパーを狙いました」と振り返った。「今日はアプローチとパットに助けられたかなと思います。17番のバーディパットは上りだったから思い切って打ちました。自分の順位はわからなかったけど、知ってしまうと油断すると思ったので(知らなくて)良かったです(笑)」。
7歳からゴルフを始めた奥村選手。小6までは野球とゴルフを続けていたが、名古屋中学に入ってからはゴルフに絞った。高2の時、日本ジュニアに出場景観がある。駒沢大学に進学し、それからは関東学生が試合の場だった。今年の冬は、大学を休学し、ニュージーランドにゴルフ留学。早稲田大の中野麟太郎さんたちとも一緒に練習。USLPGAのリディア・コを教えたコーチにスイングの見直しやアプローチなどの指導を受けた。だが、意気揚々に帰国した4月、中部アマ予選の練習ラウンドで左足太腿の肉離れを起こし、以後の競技で途中棄権、怪我の回復にじっとする日々だった。ようやく試合に復帰したアーレックスで今度は熱中症に倒れ、メンタルがどんどん落ちた。10月のクラチャンも悩んでいたところ、「ディフェンディングだから出よう」とクラブの方たちに励まされたのだとか。「クラチャンに勝ってから、クラブや練習場や周りからも今年こそは、と応援されていたので、その思いにも応えられて良かった」と優勝で終われたことを感謝した。来年はプロテストとQTを受ける予定だ。

 

2位
三浦宗樹選手(豊田CC) 150=76、74(39、35)

首位と3打差、11位タイからスタートした三浦選手がこの日のベストスコアタイをマークして2位入賞を手にした。「ざっくりとかトップとかショットは良くなかったんですけどね。後半のロングで2つバーディが取れました」。強風の影響については「球が上がるタイプではないので影響は少ないですよ。飛ばないですし・・」と言う三浦選手はもうすぐシニア世代となる53歳で、今日も若い人と回って距離の違いを実感したとか。「今日は、ほどほどに寄って、パットが入ったのが良かったと思います。先日の日本ミッドアマでものすごく速いグリーンを体験したことが役立ったかな」。豊田CCでのクラブチャンピオンは18回。他で2回あり、佐々部杯出場は20回目となるが、これまでの最上位を獲得した。

 

3位
吉田廉選手(花の木GC) 154=75、79(40、39)

首位と2打差の4位タイからスタートした吉田選手は、ロングの7番Hと17番H、ショートの15番Hとバーディを奪ったが、11番Hロングではトリプルボギーも叩いた。「昨日より難しかったです。今日はトリプルもダボもあったけど、なんとか堪えられた。バーディは3つ。ドライバーは飛ぶ方で300ヤードくらい、今日はフェアウェイキープできたのは良かったけど、アプローチがダメでした。トリプルもサブグリーンからアプローチのミスで6打もかかっちゃったんです」と残念そうに振り返った。中部学院大を卒業して4年目の26歳。競技は中部アマなどは仕事の都合でなかなか出られず、1日競技の佐々部杯だけ。6度目の出場で、初の入賞となった。

 

4位
後藤繁生選手(明智GC) 155=77、78(39、39)

前日の14位タイから一気に浮上し、昨年に続き、4位入賞に輝いた。この日、70台をマークしたわずか7人のうちの1人だった。「今日はベスト10以内に入りたいなあとスタートしました。風が強くて昨日とは違う向きでしたよ。飛ばないからセカンドは残るし、アプローチも思うようにいかなかったけど、パットが良かった。4メートルくらいが入ったし、3パットはなかった。バーディは11番Hで1.5メートルの1つだけでしたね」と、後藤選手はにこやかに話す。今年還暦の60歳になったが、この3年ほどは毎年怪我で手術を重ねていた。一昨年は腰を圧迫骨折、去年は右足の踵骨折、今年は1月に股関節の手術と続き、8月からぼちぼち動き出して、クラチャンの試合から復帰したそうだ。「なかなかゴルフの練習もできなかったけど良かった」とまた笑顔になった。

 

4位
加島健選手(麗澤瑞浪GC)155=75、80(40、40)

加島選手も首位と2打差でのスタートだった。だが、1番Hから奥に行ってしまい、いきなりのダブルボギー発進。「グリーンが昨日よりも速くなっていたし、苦戦しました」と加島選手。佐々部杯には名商大在学中の20歳の時に一度出場した経験がある。その後、ビルメンテナンス業を営む親の会社で忙しく働いてきたが、42歳になって、ようやく仕事に余裕ができてきたためクラブチャンピオンに出て権利を獲得した。「これからは競技にも出たい。ミッドアマかな。(ゴルフの)精度を高めてまたチャレンジしたいです!!』

 

4位
藤本竜之進選手(平尾CC)155=75、80(38、42)

首位と2打差でスタートし、前半で1バーディ、3ボギーの2オーバー38をマーク。首位の奥村選手と2打さで折り返した。後半10番Hで幸先よくバーディを奪ったが、その後、2ボギー、2ダブルボギーを打ってしまい、4位タイフィニッシュとなった。「今日は前半は我慢していたのだけど、後半はティーショットは荒れてきて、アプローチもうまくいきませんでした」
中部学院大3年の藤本選手は3年連続の佐々部杯出場、21歳。

 

 

<会場フォト>