[2015]中部アマチュア(本戦)最終成績 記事
2015.06.05
第48回中部アマチュアゴルフ選手権競技(本戦)
6月2~5日(火~金)
会場:芦原GC(海コース)
距離;6653ヤード、PAR70
参加人数;177名(うち欠場2名)
天候/第1日;曇り時々晴れ
第2日;雨のち晴れ
第3日:晴れ
第4日:曇り
初日からリードを保ち、通算4アンダーで、小木曽喬選手(富士可児・福井工大1年)が完全優勝
中部アマチュアゴルファーの雄を決する中部アマゴルフ選手権競技最終日は、朝から曇り空でしたが、心配された雨が降ることなく、18ホールを終了しました。ただ、気温が17℃と低く、ギャラリーにはとても寒い日、それでも熱い闘いをする選手たちは半袖姿でちょうど良かったようです。
試合は、通算3アンダーの小木曽喬選手(富士可児・福井工大1年)を、通算2アンダーの岡崎錬選手(中部日本パブ・福井工大福井高2年)と今野大喜選手(恵那峡・日大1年)が追いかける形でスタート。最終日にふさわしい難しいセッティングが選手たちを翻弄する展開でしたが、4日間72ホールを終えた結果、小木曽選手が通算4アンダーで逃げ切り、初日からの完全優勝を果たしました。2位は今野選手で3打差の通算1アンダー、3位は通算2オーバーの岩渕隆作選手(CGA・中部学院大1年)、4位は今日を68で回った光田智輝選手(富士可児・中部学院大2年)、5位に岡崎選手が入りました。
また、4日目、16番H(200Y、パー3)で、岩本一陽選手(白山・専修大3年)がホールインワンを達成しました。
さらに、今大会初日に小木曽選手がマークした65ストロークが、芦原ゴルフ倶楽部のアマチュアコースレコードを塗り替えました。2000年に関陽一選手が達成して以来の新記録でした。
小木曽選手の上手さ。最後をバーディで締めて、2位に3打差
中部アマ最終ラウンドのティーオフは7時30分。最終組は9時過ぎにいよいよスタートを切りました。アンダーパーの3人が接戦を繰り広げるか、後ろから、誰がどんなふうに追いかけてくるか。興味津々の闘いは、いきなり、1番H(377Y、パー4)で動きました。今野選手、岡崎選手が2オンしたのに対し、小木曽選手はグリーン手前からのアプローチで3オン。そして、今野選手が1メートルのバーディパットを決め通算3アンダーで、小木曽選手に並びました。2番H(322Y、パー4)では、岡崎選手の第2打がアンラッキーなキックでグリーン左の斜面に行きましたが、アプローチ後の5メートルのパーパットを決め、また、3番H(143Y、パー3)ではバンカーに入れた今野選手が絶妙のサンドウェッジでピンそば70センチにつけ、パーにするなど、それぞれにトラブルとなりそうな局面を技でしのぎ、パーをキープしていきました。そして、5番H(434Y、パー4)。カップは左端奥の難しい場所。岡崎選手と今野選手がここで3パットのボギーで通算1アンダーと2アンダーに、続く6番H(487Y、パー4)で小木曽選手が第2打をピン手前1マートル強につけ、バーディとして通算4アンダーとなり、差が広がりました。三つ巴だった展開が変化してきたのが、7番H(376Y、パー4)。岡崎選手が第2打をグリーン奥のOBとしてダブルボギー、8番H、9番Hも連続ボギーをたたき、あっという間に通算3オーバーに後退したのです。
後半にはいってからは、小木曽選手と今野選手の一騎打ちになりました。
10番Hで今野選手がボギー、続く11番H(482Y、パー4)で小木曽選手が第2打をグリーンオーバーして、なんとダブルボギー、一方今野選手がバーディで、ここで二人が通算2アンダーで並んだのです。さあ、と、勢いづいた今野選手でしたが、13番H(391Y、パー4)でバンカーから脱出に失敗し、ダブルボギー。またも差は2打となりました。そこから、今野選手はいいショットでピンにからんでいくものの、バーディパットが決まらず、追いつけないまま、最終ホール(377Y、パー4)へ。77ヤードを残した小木曽選手は鮮やかなショットを放ち、ピン上30センチへ。残り50ヤードまで第1打を運んだ今野選手のボールはグリーンオンしたもののバーディパットを外し、逆に小木曽選手がなんなくバーディを決め、通算4アンダー、2位と3打差にして完全優勝に輝きました。
ナショナルチーム3名を除く20名が日本アマチュア出場権を獲得
4日間72ホールを終えた成績により、今年の第100回日本アマチュアゴルフ選手権競技への出場権獲得者が決まりました。小木曽選手、岡崎選手、白石大和選手(名倉・大阪学院大1年)の3人がナショナルチームメンバーのため、中部アマからは23位タイのマッチングスコアで決定されました。
選出されたのは大学生、高校生ばかりですが、その中に、ただひとり、35歳の藤井靖啓選手(大樹旭)がいます。(写真は、日本アマ出場権を得た23人と、泉憲一CGA競技委員長、丹尾正己芦原GC副理事長)
「福井での完全Vが一番うれしい。少しは恩返しできたかな」
小木曽喬選手(富士可児・福井工大1年) 276=65、72、70、69(34 35)
初日から一度もリードを許さず、最後まで独走、通算4アンダーで完全優勝した小木曽選手。今日のポイントはと聞くと、即座に「1番H」と返答。122Yの第2打をPWで打ったが、後2Y届かず、転がって落ちてきた。残り30Y。これをふわりと上げてピン奥1メートルへ。「あそこでパーを取れたことが大きかった」と言うのだ。6番Hでバーディを奪い、通算4アンダーで折り返した後半、11番Hでダブルボギーとし今野選手のバーディで再度並ばれた。「後半は1打ずつ離していこうというイメージだったので、想定外だったけど、大丈夫と思ってた」。小木曽選手が警戒していた岡崎選手が思いの他伸びず苦戦したこともあり、2打差の今野選手は「遊びのラウンドではいつも負けてるけど、試合は違う」と考えていたようだ。「昨日、耐えることができたことが今日につながった。メンタルが少し強くなったかな」。
小木曽選手は表彰式後、「嬉しいのは、福井の大会で勝てたことです。ここで育って、強くなったので、少しは恩返しができたかなと・・・。そして、4日間1位を守れたこともすごく嬉しい。2年前に三好CCで優勝したけど、あの時は、ただ勝ったというか、今回は狙って勝てた、そこが違うし、ひとつ上のステップに行ける気がしてるんです」と振り返った。昨年の日本アマチャンピオンから試合のたびに成長を続ける小木曽選手。「まだまだショットもパットも何もかも足りないので、上を目指して練習します」。あどけない笑顔に秘めた闘志はとてつもなく大きいと感じた。
今野大喜選手(恵那峡・日大1年) 2位 279=73、65、70、71(35 36)
惨敗に終わった今大会。「パットがあれだけ入らないでは、勝てませんよね」と何度もカップにけられ、外した今日を残念がった。
35歳、大学生以来の日本アマ挑戦
藤井靖啓選手(大樹旭) 21位T 297=74、75、74、74(35 39)
上位20人に与えられる日本アマ出場権を獲得した、ただ一人の大人、35歳。「入れましたね、、嬉しいです」とスコアボードについた◎を前に、ニコニコしていた藤井選手。今日を4オーバーとして、全体の21位タイに入った。「この4日間はパッティングがまずまず、よく入ってくれてましたから、それが良かったんだと思います」。藤井選手は、今35歳。愛工大のゴルフ部時代に日本アマに出場。卒業して研修生を4,5年した後、自衛隊に入隊。そこで3年半の間、身体を鍛えた。その後、インストラクターをしていたが、競技を目指してアマチュア復帰。現在は、GC大樹豊田コースでコース管理の仕事に携わっている。中部アマゴルフ研修会に所属しており、「アマ研でシードをもらって出場しましたが、面目保てて良かった」と目を細めた。
今年も滑り込みセーフ
吉桑佑太選手(各務原・立命館大3年) 23位T 298=76、78、72、72(37 35)
中部アマから日本アマ出場権を得る枠は20人。今年はナショナルチームが3人だったので、23位の一人だけにチャンス。その一人に、マッチングで通過したのが吉桑選手だった。初日57位T、2日目56位T、3日目33位Tと伸び悩んだ末の最終日。「いつもギリギリだけど、今年は最後までダメかと思いました。4日間の中で、今日が一番イメージが出た、やっといい感じでプレーできました」とホッとした表情だった。(写真左が吉桑選手、右は今春から立命館大1年の伊藤奨真選手)
ホールインワン達成。ビール一年分ゲット
岩本一陽選手(白山・専修大3年) 23位T 298=70、78、77、73(38 35)
打ち下ろしの16番H(200Y、パー3)で、ホールインワン達成をした岩本選手。同組の酒井選手は「消えたのが見えた」-そうだが、本人はグリーンに乗って初めて「気付いた」のだとか。テーラーメイドの7番アイアン、ボールはスリクソンXVだった。実は小学生の時に、一度エース達成しているそうで今回は2度目となる。「ビール一年分、もらえるそうです。20歳だから、もう飲めるし、嬉しい!」ホールインワン賞は獲得できたが、に穂アマ出場権はマッチングで一歩及ばなかった。