[2015]中部オープン(本戦)3R成績/競技記事
2015.08.21
第45回中部オープンゴルフ選手権競技(本戦)第3ラウンドの成績を掲載します。
なお、熱戦の模様は後日CBCテレビにて放映されます。
放送日:2015年8月30日(日) 深夜1時30分~2時25分
第45回中部オープンゴルフ選手権競技
開催日:2015年8月19日(水)~21日(金)
会場:東名古屋カントリークラブ(西コース)
距離:7010ヤード、PAR72
参加人数:152名(うち欠場3名)
天候:第1日/曇り 第2日/雨のち曇り 第3日/曇りのち晴れ
日大1年の今野大喜選手(恵那峡)がプレーオフを制し、初V。
アマチュア優勝は、2012年以来の快挙
気温は低めとはいえ蒸し暑さを感じた第3日、最終日。中部オープン2度目のアマチュア優勝か、プロが意地を見せる戦いか、注目の決勝ラウンドは朝8時からティーオフ。最終組は、通算8アンダーで首位タイの今野大喜選手(恵那峡)と山ノ口章大(京和)、通算7アンダーで3位タイの大澤和也選手(グリーンヒル瑞浪)の3人。同じ日大1年生である、今野選手と大澤選手はゴルフ部のユニフォーム、最終日バージョンのピンクカラーでお揃いにしてティーグラウンドに立ちました。1番H(510Y、PAR5)、山ノ口は第2打を大きく右に曲げてOB、パーパットを決められずボギーとする。大澤選手はグリーン手前のバンカーからの第3打が出ただけで、続くアプローチも寄せきれず、2パットのボギー。そして、今野選手はグリーン右からの第3打を寄せ、バーディとし、いきなりスコアが動き出しました。前の組でも、1番Hで梶川武志(フリー)と浦口裕介(グランシエロ)がバーディ発進し、それぞれスコアを通算8アンダー、7アンダーと伸ばすなど、順位も目まぐるしく変わっていくのだろうと思われました。ホールが進むにつれ、今野選手がいいゴルフを展開、4番H(390Y、PAR4)でバーディ、7番H(549Y、PAR5)では2オンに成功し、下りの13メートルをねじ込んでイーグル、通算12アンダーまで伸ばしたのです。
後半に入って11番H(566Y、PAR5)でバーディを奪い、通算13アンダーとした時点では、今野選手独走の気配が漂っていました。ところが、ゴルフはそんなに簡単には終わりません。12番H、13番Hを今野選手が連続ボギー、さらに16番Hでもボギーをたたき、通算10アンダーとした時点で、前の組の浦口と並び、1打差の通算9アンダーに2組前の小野田享也(フリー)がつけていました。そして、小野田が18番H(571Y、PAR5)で1メートルのバーディパットを決めると、3人が並ぶ展開になったのです。その最終ホールで浦口も今野選手もバーディパットを決めることができずに、勝負はついに3人によるプレーオフへ。
プレーオフは、多くのギャラリーが待ち構える18番Hで行われました。第1打、小野田と浦口が右バンカーの前方、今野選手はそれよりかなり前の右ラフ。小野田は左ラフからの第3打をピン手前2.5メートルへ。浦口は右ラフからオンしたものの手前8メートル。そして、今野選手は左ラフから二人の間となる手前3メートルにオンしました。皆がかたずをのむバーディパット、最初に打った浦口のボールはカップを抜けました。続く今野選手のボールは美しくカップに吸い込まれ、渾身のガッツポーズ!! 大きな拍手が湧きました。そして、最後に打った小野田のボールは、カップ手前で切れ、万事休す。アマチュアの今野選手の優勝が決まりました。
プレーオフで戦った小野田は、日大3年生の2012年に初のアマチュア優勝を飾った当人であり、浦口は、平成18年に東名古屋CCで開催された第36回中部オープンの覇者という話題豊富な顔ぶれ。今野選手の初Vは、若い勢いを感じさせた結果となりました。
★日本オープンの出場権は、今野選手と、2位の小野田享也に決まりました。
2位タイとなったため、マッチングスコアカード方式で決定されました。
<入賞>
総合
優勝 今野大喜(恵那峡・日大1年) 206=70、66、70(32、38)
2T 小野田享也(フリー) 206=68、71、67(33、34)
2T 浦口裕介(グランシエロ) 206=70、68、68(33、35)
4T 大島靖生((株)大島電気工事) 208=70、67、71(38、33)
4T 梶川武志(フリー) 208=72、65、71(35、36)
※優勝賞金330万円はアマチュア優勝のため、繰り下げとなりました。
アマチュア
優勝 今野大喜(恵那峡・日大1年) 206=70、66、70(32、38)
2位 大澤和也(グリーンヒル瑞浪・日大1年) 210=68、69、73(36、37)
3位 織田信亮(中部日本パブ・福井工大福井高1年) 217=71、74、72(35、37)
4T 中山絹也(リオフジワラ・津田学園高3年) 219(72、72、75(37、38)
4T 小木曽喬(富士可児・福井工大1年) 219=70、73、76(38、38)
※入賞者にはトロフィー、銀皿のほか、副賞が贈られました。
特別賞
ベストスコア賞:10万円/日
第1日 67 高山準平(TOSHIN)、六峰武(フリー)
第2日 65 梶川武志(フリー)
第3日 67 小野田享也(フリー)、近藤龍一(フリー)
ホールインワン賞
第1日 6番H 請井亮太(レイク浜松)
第2日 15番H 山田裕一(新陽)
第3日 15番H 山ノ口章大(京和)
※15番Hのホールインワンに、賞金50万円とタイ旅行が贈られました。
コースレコード
第2日に65をマークした梶川武志(フリー)が、東名古屋カントリークラブ(西コース)のコースレコードに認定。48年ぶりの更新となりました。
<インタビュー>
史上最年少の18歳、史上2人目のアマチュア優勝
今野大喜選手(恵那峡・日大1年) 206=70、66、70(32、38)
祖父の勝己さん(78歳:写真左)が見守る18番H、中部オープン史上二人目となるアマチュア優勝を飾った今野選手。野球少年が中学生になったとき、ゴルフを手ほどきしたのが勝己さんである。今野選手の伯父にあたる今野康晴プロもゴルフの入り口に勝己さんがいた。それだけに、おじいちゃん子の今野選手からの一番のプレゼントをもらった勝己さんは「私はゴルフの基本を教えただけですよ。そこから,自分のゴルフを作っていってくれたらいい。今日の優勝を見れて良かった。冥土の土産ができました」と目を細めた。
今野選手は前半一気にスコアを伸ばした。なかでも、7番Hのイーグルは圧巻。左ファーストカットからスプーンで放った第2打は砲台グリーンめがけ一直線。オンして転がり、ピン上13メートルに止まった。下りのフックラインだったが、今野選手はパッティングしてすぐに,歩き出し,入ると確信したのか左手を上げた。ボールはラインに乗って、ゆっくりとカップイン。通算12アンダーになった瞬間だった。
今日の今野選手は,終始落ち着いていたように見えた。だが、本人としては、「後半に2連続ふくめて3つのボギーをして10アンダーにしてしまったので、優勝はないと思いました。でも、なんとか2位に入って,日本オープンにいきたいと考えていました」。だから、18番Hでバーディパットをはずし、ホールアウトした直後に、プレーオフと聞いて、「まじっすか」。驚いたと同時に、もう一度頑張ろう,と切り替えた。
「最終組でしたが、同級生で寮も同じ大澤が一緒だったので、リラックスできたし、雰囲気に負けずにできたと思う。それに、15番Hで同組の山の口さんが、ホールインワンしたんです。初めてエースを見ました。みんなで喜んで、それもいい方向にいったのかな。伯父さんには、早速伝えます。日本オープンに一緒に出られると良かったけど、今年は残念ながら伯父さんは出ないんですよ」。中1でゴルフを始め、中3でCGAの佐々部杯優勝、そして親元を離れて九州の柳川高校にゴルフ留学、伸び悩んだ時期もあったが、精神的に成長したのは間違いない。そして、日大での団体戦の経験が、さらにゴルフの質を変えてきているようだ。「日本オープンはもちろんだけど、ツアーも初めての出場です。スゴく楽しみにしています!!」。
2位タイ
3年前のアマ優勝に次ぐVを逃す
小野田享也(フリー)206=68、71、67(33、34)
2012年、南山CCで開催された第42回中部オープンで通算14アンダーをマークして、中部オープン史上初のアマチュア総合優勝を果たした小野田も今はプロ。決勝ラウンドでは、「3日間の中で一番いいゴルフができました。ノーボギーの5アンダーでした」と、最後の18番Hでバーディを奪ってプレーオフのチャンスを得た。プレーオフもピンから一番近い位置にオンしたが、先に今野選手にバーディパットを決められ、プレッシャーのかかる一打となった。「フックラインでしたが、少し浅く読みすぎた」と振り返った。「3年前は賞金をもらえなかったので、その時の分ですね。何より、日本オープンに行けることが嬉しい」。
相性のいい東名古屋CCだったが・・・
浦口裕介(グランシエロ) 206=70、68、68(33、35)
9年ぶり3度目の中部オープン優勝、しかも、前回は会場も同じ東名古屋CCで「ここは相性がいいんで、今年はチャンス」と初日から言っていただけに、残念な結果となった。プレーオフの第3打をショートしたことに関して、「距離を間違えました。展開は僕向きだったのに残念・・・」。