[2012]中部オープン本戦(第3日・成績表 速報)
2012.08.31
第42回 中部オープンゴルフ選手権競技 (第3日)
開催日/平成24年8月29日(水)~31日(金)
会場/南山カントリークラブ
参加人数/プロ109名 アマ39名
距離/7051ヤード PAR72
天候/晴れときどき雨
【第3日】
大会初、総合優勝=アマチュア・小野田選手。
2位に近藤選手、会場倶楽部所属
南山カントリークラブで26年ぶり(1986年に開催)に行われた中部オープン最終日は、小野田享也選手(グランディ浜名湖・日大3年)のアマチュア優勝という大会初のビッグ記録を残して幕を閉じました。
予選第2日まで、トップが12アンダーというハイペースの闘い、それに日替わりメニューの様に首位が変わり、誰が来てもおかしくない展開でした。
高山準平選手(TOSHIN)は3年ぶりの中部オープン優勝を狙っていました。森本雄選手(フリー)、富田雅哉選手(瑞陵)も前半は好調でした。ところが清水正貴選手(タートルエース)は、昨日の調子が出ませんでした。
そんな中で近藤啓介選手(南山)と堂々の横綱相撲を取った小野田選手は、最終日も2アンダーで回り優勝。今年は中部アマ優勝、日本学生でも9位タイと絶好調です。日本オープンでの活躍が期待されます。
【最終日のコースセッティング】
第3日・決勝、首位タイ・12アンダーでスタートした清水正貴選手とアマチュアの小野田享也選手。二人がどこまでスコアを伸ばすか注目でした。
ところが予想に反してスコアが伸びない。他の選手も昨日と勝手が違うようでパーセーブに四苦八苦です。なぜ?
ご存じのようにゴルフはコースとの闘いです。決勝日は、前日2日間とはピンの位置が違います。予選2日間は参加人数と雷雨という天気予報を加味して日没までに全員がホールアウト出来るよう主催者側に配慮がありました。したがって、カップの位置も難しくなく、そこは並みいるプロ選手とトップアマは簡単にグリーンを捉えます。雨模様でグリーンが止まりやすいのも効きました。ほとんどの選手がピンをデッドに狙ってきました。コースレコードのスコアが出る要因はそこにありました。
しかし決勝日は違いました。予選通過したのは65位タイ・146ストロークがカットラインで81名(うちアマ14名)が決勝進出。カップの位置も決勝にふさわしく、厳しく、最高の技術を要求するセッティングとなりました。
こうなると選手も緊張感が一気に頂点に達します。その結果、攻め方は丁寧になり、大胆さを欠きます。1日の違いで集中力の保ち方が難しくなり、ほとんどの選手が出だしから調子を狂わせました。
こうなると本当の実力が発揮されます。優勝した小野田選手は、難しいセッティングにもかかわらずボギーをたたかないゴルフ。地元、近藤啓介選手(南山)の追い上げをかわして見事な大会初のアマチュアの総合優勝でした。
勝負を決めたのは17番のPar3、8Iで見事ピン手前1.3mにオン、バーディーとなり、近藤選手と2打差がつき優勝を手中に入れました。最終ホール18番では2打目をバンカーに入れ、スタンスはバンカーの外という難しいものでしたが、ワンピンの下りラインにつけ、惜しくもはずしてボギー。
1打差の逃げ切り優勝でした。ホールアウト後のコメントで「18番で何打リードしているか知りませんでした。聞いてびっくり冷や汗ものでした」と、喜びを満面の笑みで表現し、アテストコーナーへ向かいました。
なお、本大会の模様は、9月9日(日) 深夜1時40分~ 中部日本放送にて放送いたします。
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第42回中部オープンゴルフ選手権 表彰
総合優勝 小野田享也(グランディ浜名湖)アマチュア
副賞 ユピテル賞
2位 近藤啓介(南山)
賞金 300万円
※この2名には、10月11日から沖縄・那覇GCで行われる日本オープンゴ
ルフ選手権競技の出場権を与えられた。
●特別賞 ベストスコア賞(賞金)
初日 (64) 近藤啓介(南山)
第2日(65) 清水正貴(タートルエース)、高山準平(TOSHIN)、小野田享也(グランディ浜名湖)[記念品]
第3日(67) 大島大輔(マスターズゴルフHD)、鈴木康正(呉羽)
●コースレコード賞
初日 65 黒宮幹仁(ライオンズ)
●ホールインワン賞(賞金)
初日 7番H 豊田邦裕(森林公園)
第2日 4番H 住田安朗(タカラゴルフプラザ)、光田智輝(明智)
第3日 4番H 鈴木康正(呉羽)
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インタビュー
狙いは優勝! 見事に有言実行して魅せた大物アマチュア
小野田享也選手(グランディ浜名湖、日大3年) 202=67、65、70(36、34)
小野田選手は初日に宣言していた、「毎日5つペースで15アンダー、ベストアマではなく優勝です、日本オープンに出たい」。そう言ってスタートし、第1日を67、第2日も「がんばってきました」と65とし、首位タイの通算12アンダーで最終組の最終日。ガンガン行くかと思っていた最終組だったが、ボギーが先行、スコアは縮みがちであった。「やっぱり、初めは緊張していて、安全にいこうとピンを狙わないでショットしたんですが、逆に長い距離が残ってしまった。ピン位置も難しかったこともありますけど。安全にいきすぎましたね」と序盤の流れを振り返った。その後、7番H(177ヤード、パー3)でピン左からの上り2.5メートルを沈めてバーディ、さらに8番H(388ヤード、パー4)でグリーン手前花道からの6メートルをチップインバーディとし、前半をイーブンパーで終え、通算12アンダーの首位で折り返した。この時点で、2位は通算11アンダーの高山準平プロ、3位タイに通算10アンダーで近藤啓介プロ、富田雅哉プロが続いた。
後半に入り、小野田選手は11番Hでバーディを奪い、通算13アンダーに伸ばす。一方、プロたちは不覚にもボギーをたたいて、この時点で2位グループと4打差のリードまで広がったのだ。周りは、「アマチュア優勝」という中部オープン初の出来事にざわめいた。その、まさか、が確信となったのは、17番H(189ヤード、パー3)。16番Hのロングをバーディとして通算14アンダーに伸ばしていた小野田選手は、8番アイアンでピン一直線へショット、1.3メートルのバーディパットをあっさり沈め、通算15アンダーに伸ばしたのだ。このバーディパットは、小野田選手も「ポイントだった」と言う。
最終18番H(400ヤード、パー4)で第2打をバンカーに入れ、上からのパットを外してボギーとし、通算14アンダーでフィニッシュした。
最後まで、他の選手のスコアを知ることなく、ホールアウトした小野田選手は、「おめでとう」の声に、「ほんと? やったあ」と無邪気に笑った。「何打差だった?」「1打差だよ」「へえ、よかった」。なんとも、ほんわかとした優勝の瞬間だった。
小野田選手は湖西市在住、日大へは毎日自宅から通学をしている。今年の中部アマを制し、中部オープン、そして、日本オープン出場を現実のものとした。「3年前にも日本オープンにいきましたが、結果を出せていないので、今年は、力一杯やってきます」。その大きな原動力は、実は、松山英樹選手(東北福祉大3年)なのである。「同学年に強い選手がたくさんいます。でも、松山君は衝撃的なゴルフスタイル。曲げても、どこからでもグリーンを狙ってくるというか。いつか、松山クラスに並びたいというのが目標です」。穏やかな性格、確かな精神力の持ち主だから、きっと目標を手に入れる、そんな気がする。
倶楽部全員が大喜び、総合2位
近藤啓介プロ(南山) 203=64、70、69 (36、33)
10アンダーの4位タイでスタートし、1番H、2番Hを連続ボギーとして、「苦しかった」と近藤プロ。「ずっと我慢して」、8番H、9番Hでようやくバーディを取り、前半をイーブンパー、通算10アンダーで後半へ。「同組の富田プロ、高山プロが名のあるプロだったので、負けないようにしようと気持ちを保ってました。後ろのことは考えていなかったけど、16番Hでトップの数字を聞きました。2打差だと。それで、がんばったらいけるかなと」。そして、近藤プロは、16番H(498ヤード、パー5)で右上4メートルからのイーグルパットを決め、一気に通算13アンダーとし、この時点で首位タイとなった。しかし、本人は「後ろもロングは取ってくるだろうから、17番H、18番Hをバーディで終わっておきたかった。全体を見れば、今日もショットがダメでしたし」と反省しきり。アマチュア優勝で、賞金が繰り下がってきたことに関しては、「使いみちはこれから考えます」。
2008年にプロテスト合格、3年目の昨年に、三重県オープンで優勝。今年、33歳になり、初めての日本オープンに出場する。南山CC所属で、地の利を生かしたとはいえ、周りからの期待というプレッシャーに打ち勝った総合2位。価値ある結果であったことは、倶楽部関係者の喜びようが証明してくれている。(写真:倶楽部関係者やご家族が祝福)
総合3位
森本雄プロ(フリー) 205=65、68、72(38、34)(写真右)
3年連続の最終組で優勝を狙ってスタートした森本プロだったが、パッティングで決められず、スコアを伸ばしきれなかった。「打ちきれませんでしたね。前半の、3番Hでダブルボギー、4番Hでボギーと、3パットを連続したことが、後でボディブローのように効いてきた。それにしても、実力がないってことで・・・・。練習するしかないですね」。冷静に振り返っていたが、自分への悔しさがありあり。「まあ、3位でフィニッシュできたことはよかったかな」。
アマチュア2位タイ
宮原雅人選手(瑞浪高原、福井工大福井高2年) 213=72、71、70(35、35)総合16位タイ
「平井伸泰プロと3日間一緒に回りましたが、とてもよかった。プロの上手なゴルフを見て、ひっぱってもらった感じです。日本ジュニア(8月15~17日開催)で、-1、0、-1で3日間を回れたことも自信になってました」。
黒宮幹仁選手(ライオンズ、日大3年) 213=65、73、75(37、38) 総合16位タイ
アマチュア4位
土岐明彦選手(愛岐) 214=72、72、70(35、35) 総合20位タイ
アマチュア5位
伊藤有志選手(ローモンド) 215=72、71、72(38、34) 総合28位タイ
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今日もホールインワン達成。3日間で4個目のエース
鈴木康正プロ(呉羽) 208=71、70、67(34、33) 総合9位タイ
4番H(206ヤード、パー3)で、使用クラブはタイトリストの4番アイアン、ボールはタイトリストV1Xだった。「この3日間はあまり体調も良くなくて、いつもより大きい番手で右狙いで打ったんだけど、うまい具合に入ってくれました」。4度目のエースだが、試合では初めてのことだとか。倶楽部から賞金が贈られた。あわせて、第3日のベストスコア賞もゲットし、総合9位タイに華を添えた。