[2013]中部アマチュア 第4日成績表・記事
2013.06.07
平成25年度(第46回)
中部アマチュアゴルフ選手権競技
開催日/平成25年6月4日(火)、5日(水)、6日(木)、7日(金)
コース/三好カントリー倶楽部(西コース)
参加人数/171名(内欠場2名) 7315ヤード PAR72
天候/第1日・晴れ、第2日・晴れ、第3日・薄曇り、第4日・晴れ
【第4日】
小木曽選手、最終ホール、
優勝を決める絶妙チップインバーディ
最終日、最終組が最終ホールのグリーンまで来ました。優勝争いは、この最終組の小木曽喬選手(富士可児・高2)と北村聡馬選手(中部日本パブ・高3)。いずれも通算7オーバーです。
しかし北村選手はグリーンをとらえ、小木曽選手のボールはピン奥6mのラフの中。白石大和選手(名倉・高2)も2オンです。
先に打つのが小木曽選手。ラフからの第3打、何度も何度も素振りを繰り返しロブショット気味にすくったボールがピン手前1mのところに落ちると、下りスライスラインを転がり、吸い込まれるようにカップイン!これにはギャラリーもびっくり。「高校生であんな芸当をするとは!」。感情むき出しにガッツポーズをとる小木曽選手の横を次のパッティング準備に入る北村選手は、呆然自失の表情で通り過ぎました。後半の9ホール、この2人は2転3転と入れ替わる熾烈な首位戦いを繰り広げてきました。
その決着が小木曽選手のチップインバーディ。中部ナンバーワンのアマチュアを決める競技の中で、高校生2人が球史に残る最高のゲームを見せてくれました。
優勝争いに加わっていた49歳、木田正彦選手(名張)は、三好の難コースに実力を出し切って大健闘の4日間でした。
出色は、中学生の岡崎錬選手(中部日本パブ)の3位入賞。前途が楽しみな選手です。
この競技の結果、308ストローク(マッチングスコアカード)までの上位15名が東京ゴルフ倶楽部で行われる日本アマチュアゴルフ選手権の出場権を獲得しました。また313ストロークまでの上位35名までが北陸・朱鷺の台カントリークラブで行われる中部オープンゴルフ選手権の出場権を獲得しました。
ゲームオーバーとなって、西空を眺める雷雨が接近。コースには恵みの雨がもたらされました。
<<今大会での年齢別出場者数>>
エントリー数 決勝進出者
中学生 10人 → 7人
高校生 18人 → 17人
~29歳 42人 → 25人
30歳以上 101人(欠席2人、棄権1人含) → 33人
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>.
インタビュー
最終18番Hの劇的なバーディで、初優勝
小木曽喬選手(富士可児、福井工大福井高2年) 294=76、71、72、75(38、37)
昨年に続く最終組でのラウンドとなった小木曽選手は、前半の6番H(445Y、パー3)で2つ目のボギーをたたき、北村選手に並ばれた。「あの時は、昨年のことが頭をよぎって、いやな感じだったけど、8番H(230Y、パー3)で左ラフからのアプローチを寄せてパーが取れて、悪い流れを断つことができました」。「決め手になったホールはどこ?」と聞くと、「後半の17番H(426Y、パー4)。1.5メートルのスネークラインを決めることができた、あのパーが大きかった。思わずガッツポーズが出ました。そして、18番H(470Y、パー4)の大ピンチ、とにかくプレーオフには持っていきたかった」。その思いがボールに伝わったか、見事なチップインバーディで初勝利を引き寄せたのだ。
「素直に、うれしい。実は昨日、川村さんからメールをもらったんです。上手いんだから自信を持って、ぶっちぎっていこう、って」。小木曽選手の高校の2年先輩にあたるのが川村昌弘プロ。この春の岐阜オープンクラシックで久しぶりに一緒の組になり、プロが無理に飛ばさないゴルフをしているのを間近で見て、「自分もこういうゴルフがしたい」と思ったのだとか。将来はプロになりたいが、大学に進学してからでも遅くないとも感じている。まだ高校2年生である。「日本アマで、目標のベスト8にどれだけ近付けるか、それから、また、方向を考えます」。いつも2位とか3位に甘んじていた小木曽選手は、ビッグな初タイトルを手にして、夢への階段を大きく上った。
デッドヒートを繰り広げて、2位
北村聡馬選手(中部日本パブ、伊勢高3年) 295=73、74、74、74(36、38)
「この4日間で一番調子がよかった。16番H(190Y、パー3)で、右のバンカーから1度で出すことができなくてダブルボギーにしました。あそこがポイントだった」と北村選手。「不安要素の多いショットばかりだった。4日間でダブルボギーを3つ出したことは課題です」。
上位15人が、日本アマチュアゴルフ選手権競技への出場権を獲得
======================================================
日本アマ出場を手にした大人たち、マッチングで残った中学1年生
左から、須田、木田、榊原選手
榊原吉規選手(知多) 6位タイ 299=72、80、75、72(38、34)
ホールアウトして、ハウスに戻るや、号泣した榊原選手。「通った!! がんばった!!」の感極まっての男泣きだったのだ。「前半はボギーが2つ、後半は3バーディ1ボギーでした。14番Hで、2年前の日本アマ(三好CCで開催)の時のキャディさんが応援に来てくれて、がんばろう、と思いました。よかった」。4年連続で日本アマに出場し、昨年は逃した、そして今回で5回目となる。今度こそ、マッチプレーへ。榊原選手がまた、男泣きするのを見たい!!
木田正彦選手(名張) 9位タイ 303=73、75、75、80(42、38)
スタートしてすぐの1番H(425Y、パー4)でボギー、続く2番H(555Y、パー5)で第1打を木の根もとに行くトラブルから6オン2パットの8打をたたくなどで前半を42と崩した。後半に入ってからは、「ショットが結構絡んでいって」38とまずまずのスコアメークで、6位タイに。「18回くらいかな」と木田選手が言うように、もう何度も出場を重ねている日本アマは、昨年に続いて連続となる。
須田繁之選手(ぎふ美濃) 12位タイ 306=79、75、75、77(36、41)
「今日はぼちぼち、後半16番Hで崖下に落として、トリプルボギーとしたあとに、17番Hでバーディが来た。あれで助かりました」。
深谷頌選手(リオフジワラ) 15位タイ 308=74、80、81、73(37、36)
15人目の出場権は15位タイ5人のマッチングスコアカードにより決定された。そして、それは、中学1年生の深谷選手の手に。深谷選手は今日を73と素晴らしいスコアでホールアウト。3日目23位からの大ジャンプアップだった。「16番Hでバーディが取れたことが一番うれしかった」。三好CC名物ホールは、中学生の胸に深く刻まれたことだろう。今大会最年少出場で、見事な成績。今後が楽しみである。
<<日本アマチュア出場権獲得選手>>