[2016]中部オープン(第3日成績表)・記事インタビュー
2016.08.19
中部オープン第3日の成績表を掲載します。
平成28年度(第46回)中部オープンゴルフ選手権競技
開催日/平成28年8月17日(水)~19日(金)
会 場/岐阜関カントリー倶楽部(東コース)
参加人数/アマチュア15名、プロ137名
距離/7270Y、PAR71
天候/第1日晴れ、第2日曇り時々雨のち晴れ、第3日晴れ
近藤啓介(南山)が竹谷佳孝(㈱エー・エム・エス)との接戦を制し通算7アンダーで、3年ぶり2度目V
ベストアマは、今野大喜選手(恵那峡CC)
中部オープンゴルフ選手権競技の最終ラウンドが終了。最終日は朝から猛暑、前夜に雨が降ったこともあり、身体にまとわりつくような暑さだった。選手たちは、「今日は体力勝負」「初日のような感じ」「ばてないように、集中していきたい」など、18ホールのベストパフォーマンスへ相当の覚悟でスタートしていった。
決勝ラウンドに進出したのは、予選2日間で148ストロークまでの87人。最終組は、2日目に67をマークした4人のうち3人で、通算6アンダー首位の永野敦朗(フリー)、通算5アンダー2位の竹谷佳孝(㈱エー・エム・エス)、通算4アンダー3位タイの近藤啓介、さらにひとつ前の組に、通算4アンダーの近藤龍一(フリー)、通算3アンダーの浦口裕介(グランシエロ)、梶川武志(フリー)。今大会に参加したレギュラーツアーメンバーの宮本勝昌(ハートンホテル)は、昨年覇者のアマチュア、今野大喜選手(恵那峡)とともに通算2アンダー7位タイからのスタートだった。
試合は、1番Hからいきなり動いた。竹谷が10メートルのスライスラインをいきなり沈めバーディとし通算6アンダーで永野と並んだ。その後も、竹谷は4番H、6番Hでバーディを決めるなど、レギュラーツアーでしのぎを削っている実力を発揮して、このまま突き進んでいくのかと思わせた.一方、近藤も3番H、6番H、9番Hでバーディとするなど竹谷を追う展開。永野もボギーが先行したもののなんとか粘りを見せていた。
そして、竹谷が通算7アンダー、近藤と永野が通算6アンダーで迎えた後半15番H(570Y、パー5)。竹谷がバンカーからの第2打をまさかのOB、パットも決まらずダブルボギーとしてしまった。追う近藤は、第2打をグリーン手前のラフへ、そこからピン奥2メートルにつけ、見事にバーディを奪った。ここで、ついに、近藤が通算7アンダー、竹谷は5アンダーと首位が入れ替わった。近藤は続く16番Hもバーディで通算8アンダー、竹谷は17番Hでバーディを決め通算6アンダー、永野は16番Hをボギー、17番Hをバーディで通算6アンダーで最終18番H(473Y、パー4)へ。勝利がほぼ見えた近藤は第2打をピン奥10メートルにオン、最後は3パットのボギーとしてしまったが、2013年以来3年ぶり2回目の優勝を手にした。近藤には今年の日本オープン出場権、優勝330万円、副賞としてANAより国内往復航空券ペアチケットが贈られた。
また、昨年の覇者である今野大喜選手(恵那峡)が通算3アンダーでベストアマチュアを獲得。総合でも5位タイと堂々の成績であった。
<入賞>
総合の部
優勝 近藤啓介(南山) 206=71、67、68(33、35)
2位 竹谷佳孝(㈱エー・エム・エス) 207=70、67、70(33、37)
3位 永野敦朗(フリー) 208=69、67、72(37、35)
4位 三好正展(富士レイクサイド) 209=72、69、68(35、33)
5T ※今野大喜(恵那峡) 210=70、70、70(35、35)
宮國雄一朗(フリー) 210=69、71、70(34、36)
梶川武志(フリー) 210=67、72、71(36、35)
アマチュアの部
優勝 今野大喜(恵那峡) 210=70、70、70(35、35)
2位 大澤和也(グリーンヒル瑞浪) 214=76、68、70(35、35)
3位 光田智輝(富士可児) 217=72、75、70(36、34)
3位T 三島泰哉(瑞陵) 217=71、75、71(35、36)
5位 横井優星(中部日本パブ) 219=71、76、72(35、37)
<ベストスコア賞>各日10万円(複数の場合は均等割)
第1日 66 野嵜朗(南山)
第2日 67 井上清孝(岐阜関)、近藤啓介(南山)、竹谷佳孝(㈱エー・エム・エス)、 永野敦朗(フリー)
第3日 67 冨田雅哉(瑞陵)
◇◆もっと地元に愛される中部オープンに◇◆
今回の中部オープンは、「もっと地元に愛される中部オープンに」をモットーに、先着200人に、オリジナルキャップをプレゼントするなど、新たな試みをさまざまに行った。その結果、連日ギャラリーが来場、延べ900人の来場者が選手たちの活躍に拍手を送った。(第1日300人、第2日200人、第3日400人)
★ボランティアが大会を支えた。
受付、フォアキャディ、最終日にはスコアラーなど、さまざまな場所でボランティアが活躍。
★オープンを盛り上げた会場風景
18番Hグリーンサイドには観戦用チェアが設置されたり、「CGA OPEN」のロゴが入ったローピング、速報ボードなど、会場にはオープンらしいディスプレーが見られた。
◇◆表彰式◇◆
優勝
同年対決に勝利。「地元の競技だから何回でも勝ちたい」
近藤啓介(南山) 206=71、67、68(33、35)
「竹谷と僕は同い年なんです。ツアーに行くようになって、知り合って、今回も練習ラウンドを一緒にしました。あすは負けないように頑張ります」。近藤は、2日目に、最終日最終組で竹谷と回ると決まった時、そう話していた。そして、最高の結果が出た。「今日は、3日間のうちで一番ショットがよかった」という近藤だが、竹谷が前半でバーディを奪い、抜け出そうという状況でも、自分のゴルフに集中していた。
ポイントになったホールはいくつかあった。竹谷と3打差で迎えた6番H(410Y、パー4)で竹谷、永野がピンそばにぴったりつけた後の第2打、球は一度はグリーンにオンしたものの傾斜に負けてコロコロと戻ってしまった。絶体絶命のアプローチで、なんと鮮やかなチップインが決まったのだ。「イメージはできていたけど、入れようとは思ってなかった。ボールが消えたので入ったのがわかった」。さらに、首位・竹谷と1打差に迫った後半の15番H(570Y、パー5)。2オンは外れたが、グリーン手前のラフからピン奥2メートルにつけ、それをきっちり決めてバーディ、竹谷のまさかのダブルボギーもあって、一気に2打差リードの首位に立った。続く16番Hでもバーディを奪い、通算8アンダーに伸ばした。「あの2ホールで優勝に近づいた。相手はシード選手なので、集中力を保つように、暑さに負けないように、頑張りました。嬉しいの、ひと言です」。37歳。
今回、レギュラーツアーから数人ではあるが参戦のあった中部オープンで、地元の近藤が意地を見せた。来年は日本オープンの舞台となる岐阜関カントリークラブ東コース。セッティングも初日から日本オープン仕様の難しさを大会側が用意した。さらに、むせ返るような連日の猛暑が選手たちを追い込んだ。「中部でも頑張っているんだぞ!!」。近藤のひと言は、中部ゴルフ界の想いそのものであった。
ベストアマ
「一番ショットが良かったけど、パットが今ひとつ」
今野大喜選手(恵那峡:日大2年) 210=70、70、70(35、35)
昨年大会で、アマチュアで総合優勝をした今野選手は、3日間で通算3アンダーで競技を終了した。「3日間の中で、今日が一番ショットが良くて、攻めのゴルフができました。でも、チャンスにつけたバーディパットが決まらなくて、3バーディだけでした。(首位と)4打差スタートだったから、行けるかなって思ってたけど・・」と残念そうだった。今年の中部アマチュアで8打差を大逆転した今野選手は、ベストアマチュアで2つ目のタイトルを獲得。今回は、伯父のプロ、今野康晴も出場しており、話題を呼んだが、「おじさん」の方は1打足らずで決勝ラウンド進出を逃した。「日本オープンの地区予選は通過して最終予選の資格はあるんで、優勝して本戦を狙った」思惑は外れたが、最強アマチュアは、来週の日本学生優勝を新たな目標に、気持ちを切り替えた。(写真右が今野選手。左は、アマチュアの部4位の三島泰哉選手;瑞陵、中部学院大1年)
今野康晴プロ(左)と、大喜選手
総合の部 2位
15番Hで、痛恨のダブルボギー
竹谷佳孝(㈱エー・エム・エス) 207=70、67、70(33、37)
「バンカーからのセカンドでしたが、ライがよくて、2オンを狙ったんです。3Wか5Wが迷って、5Wにした。エッジまで244ヤード。ドローをかけようと振ったがダフってしまった。この3日間、いつか出るだろうと思っていたショットが、あそこで出ちゃいましたね。しかたがないですね。ただ、この暑さのなかで、3日間プレーしたことが、ツアー後半戦に生きてくると思う」竹谷は、そう振り返った。
CGAからの競技案内にいち早く参戦を表明した竹谷は、ツアー1勝、パッティングの上手さに定評があるプレーヤーである。「来年の日本オープンのコースでもあるので、どんな所か見ておきたかったこともありますが、とてもいいコースでした。上田さん設計らしく、狙い所が決まってくるレイアウトが好きです。日本オープンが楽しみですね」とコースを評価。さらに、こう付け加えた。「それから、レギュラーの選手が参加すると嫌だと思う人もいるかもしれないけれど、こういう状況で切磋琢磨をしてもらいたい。なにくそ、と思って頑張って欲しい。僕もずっと中国地方で同じ想いを抱きながら、レギュラーに上がってきた人間なので・・・」。最後に、来年の出場について尋ねると、「日程がかぶらなければ、もちろん参加したいです」。話しぶりからも、竹谷の人柄の良さがにじみ出ていた。
総合の部 3位
「二人に引っ張られて、踏ん張れました」
永野敦朗(フリー) 208=69、67、72(37、35)
2日目に67のベストスコアで首位に立った永野は、初めての最終組に気持ちで押されたのか、ボギーが先行。8番H時点で首位の竹谷と5打差をつけられてしまった。ところが、「二人に引っ張ってもらった」と言うように、9番Hでバーディを奪うと、後半には首位と1打差に迫るまで健闘。通算5アンダーでフィニッシュして、3位入賞を果たした。「2日間は最高の自分でしたが、今日は下手な自分が出ちゃいましたね。それでも、初めて中部の試合に出ましたが、よかったです」と嬉しそう。というのも、永野は、東京・杉並の出身で、現在40歳。堀越学園ゴルフ部だったが、23歳でコーチについてゴルフを学び直した。その後、チャレンジツアーに参戦したが、2005年の4位が最高位。今回の出場は、昨年結婚した夫人が土岐市の出身で、中部オープンを知り、緑ヶ丘CCでの予選会を勝ち上がってのことだった。最終日は、今年1月に誕生した長男を抱っこして夫人も応援に駆けつけていた。
◇◆レギュラーツアーメンバーも参戦。プロたちの声◇◆
宮本勝昌(ハートンホテル) 211=72、68、71(37、34) 8位タイ
「いいショットもあり、いいパットもあり、とまあ、自分らしいゴルフができているので、最終日にビッグスコアが出せたらいい」とスタートした宮本だったが、思うようにスコアを伸ばせず、8位タイで3日間を終えた。「ここは、距離のメリハリもあって、素晴らしい、難しいコースですね。来年の日本オープンの会場では、さらに難しくなっていくでしょうね。中部オープンに付いては、来年も出られれば、来ますよ」。
堀川未来夢(Wave Energy) 221=74、69、78(37、41) 60位タイ
今年の日本オープンの出場資格40位に足りなくて(現在41位)、日本オープン出場のチャンスがあるこの大会に出場した。結果は残念だったが、「今、静岡に住んでいますし、試合にはひとつでも多く出たいので、来年もチャンスがあれば、出場したいですね」。
<中部オープン photo>